幸福な日常 <佐倉楓子> 0 『 自分は<不幸>だと感じられる<幸福>の中で、我々は本物の<不幸>を知る事無く生きる事が出来る。 それは、とても<幸福なこと>である。 』 1 楓子が野球部のマネージャーになったのは、単に野球が好きだからという単純な理由だった。 しかし、彼女が野球部のマネージャーとして一年が過ぎようとしている現在、楓子はそんな単純な理由に感謝していた。 それは、クラスメイトであり、野球部員でもある柳沢の存在である。 柳沢は、学業は平均を下回る程度だが、こと野球に関してはその才能を示していた。 白球を追い、土まみれになって走る柳沢の姿を、楓子は目を放すのが惜しい思いで見つめる日々が続いていた。 「柳沢くん…」 彼の姿を見られるだけで、楓子は幸せだった。 「好きです」 とは云えない。 そんな勇気は、楓子にはない。 少し(本当に、ほんの少しなのだが)ポッチャリとした自分の体型を、楓子は過度に気にしていた。 自分に自信が持てず、「柳沢くんには、私なんて似合わない」と思い込もうとしていた。 辛いのは嫌だから。はっきりと拒絶されるくらいなら、ただこうして見つめていられるだけでいい。 『振り向いて』とは思わない。『私の想いを感じて』とも思わない。 思っていないと、思い込もうとしていた。 部活が終わると、楓子はいつも寂しい気持ちになる。一日の終わりが、明日の始まりへの準備段階とは考えられない。 一人家路に就く間中、楓子はなにかを考えている様な顔をしているが、でもなにも考えてはいない。考えなければならないことが多すぎて、なにも考えることができない。 ただ、緩やかにだが確実に流れる時間に身を委ねて生きている。 同じ様な毎日が、あまりにも速く繰り返される。その度、楓子は『このままじゃダメだ』という思いを、無意識に心の深い場所に積み重ねる。 「すみません」 突然の後ろからの声に楓子は振り返った。 そこに立っていたのは、髪を肩よりも長く伸ばした楓子より二、三歳ほど年上の青年だった。 「はい…なんですか?」 「ちょっと道を教えてほしいんですけど」 「え…いいですけど」 了承した楓子に青年が近寄り、彼が目の前に立つ…。 そして、バチッなにかの音と同時に楓子の意識は途切れた。 「おい。来いよ」 隠し持ったスタンガンを楓子に押しつけ気絶させたロンゲの男は、片手で楓子を支えながら後ろに声をかけた。 ロンゲと同じ歳程の男が二人路地の奥から現れ、三人は楓子を抱えてどこかに向かった。 2 三人の男は、楓子を連れて人気のない小さな公園にきていた。 そして三人は、楓子を引きずって公衆便所に入っていく。その便所は予想通り荒みきっていて、特有の悪臭が満ちていた。 ロンゲが、楓子の頬をパチンというよりはバチンッと叩いた。 「ウッ…」 楓子が目を醒ます。 しかし、すぐには自分がどこにいるのか、どうなっているのか分からなかった。 楓子は、冷静に自分が置かれている状況を把握しようと、辺りを見回した。 自分の状態…二人の男に捕まえられている。間の前にはさっき道を訊ねてきた男がたっている。 今いる場所…どこかの公衆トイレらしい…でも随分汚れている。 ここにいる人間…私と三人の男だけ。 それらの状況から楓子が導き出した答えは、今私はとても危険な状況である。という至極的確なものだった。 不意に自分に伸ばされたロンゲの腕。楓子は叫んだ。 「止めてッ! 止めてくださいッ!」 「大きな声出すんじゃねぇ!」 ロンゲの男は再び楓子の頬を叩き、痛みと恐怖に黙った楓子の純白のショーツを引きずり降ろして剥ぎ取ると、それを楓子の口の中にねじ込んだ。 二人の男に腕を捕まえられている楓子には、口の中のショーツを取り出すことができない。 「ウッ、ウー」 声にならない声。 それを満足そうに聴きながら、ロンゲは楓子の制服を引きちぎり、スカートを剥ぎ取った。 「ウッ」 楓子は咄嗟に足を組み、大切な部分を隠そうとしたが、ロンゲが腕を組んだ内股に入れ、無理矢理開かせた。 抵抗できる程の力は、楓子にはなかった。 「キレイな色じゃん。コイツ処女だぜ」 ロンゲに同意する様に、後の二人が下卑た笑いを漏らす。 混乱し始めた楓子は、なにがどうなってしまっているのか分からなくなっていた。 ただ、今自分はとても危険な状態にあるということは再確認していた。 制服のリボンで腕を後ろに固定され、自由に動きがとれなくなった楓子を、汚物がこびり付いた床に転がし、男たちはズボンのファスナーを開けてペニスを取り出した。 それらは既に堅く勃起していて、臨戦態勢が整っている。 楓子は目の前にそそり立つそれらから目を逸らし、堅く瞳を閉じた。 涙が次から次に溢れだしたが、それには男たちを喜ばせる以上の効果はなかった。 「一発目だ。じっくりと味わえよ」 ロンゲが後ろから無造作に楓子の腰を持ち上げ、歳の割には発達していないヒダを割り、堅くそばまった部分に自らのモノをあてがった。 当然、楓子の部分は濡れてはいない。 しかしロンゲは、 「いくぞ」 という言葉と共に、堅くなった肉棒を無理矢理突き刺した。 「フグッ! ウッウウゥゥー!!」 これまで味わったっこともない激痛が、楓子を襲う。頭の中が真っ白になり、痛覚だけが過敏に楓子を縛り付けた。 知識では知っていたが、自分では触れたこともない部分(そう、楓子は自慰行為を行ったことがなかった)を貫かれ、お腹の中がそれで一杯になり、やがてそれは内蔵を食い破り、咽を通って口から飛び出すのではないかと楓子は感じた。 (死、死んじゃうッ! 殺される。殺されるッ!) 楓子は、本気でそう思った。 死ぬ。 私は死ぬんだ…ここで殺されるんだ…と。 男が動く度に、楓子の内蔵はシェイクされ、止むことのない激痛が延々と続く。 不幸中の幸いとは云えないが、無理矢理に挿入されたからか楓子の破瓜の血は多く、多少なりとも結合部に滑りを与えていた。 楓子の未発達な狭い穴の締め付けがきつかったのか、ロンゲは普段の半分の時間もかからずに果てた。 生まれて始めて躰の奥にそそぎ込まれる精液。それは、とても熱かった。 ロンゲはフウと満足げに息を吐くと、まだ堅いままのペニスを引き抜いた。 血と精液の混合液が、ゴボッと楓子の膣内から零れる。どうやら、ロンゲの射精量は楓子の許容量を過分に超えていたようだ。 楓子は躰中を痙攣させ、お尻を持ち上げた形のまま気を失っていた。 残りの二人が気を失ったままの楓子を犯したが、楓子は身動き一つしなかった。 気絶したままなんの抵抗もせず(できず)、楓子は膣内に注ぎ込まれる精液を受け入れ続けた。 3 頬を叩かれ、楓子は目を醒ました。 一瞬、状況が理解できなかったが、残忍に笑う三人の男の顔を見て、自分が置かれている状況に思いが至った。 「これからが本番なんだ。寝ている暇なんかないぜ」 楓子は仰向けに寝かされ、下半身を持ち上げさせられた。 両足も大きく開かされ、精液まみれの性器も肛門も丸見えの状態だ。 この時始めて、楓子は自分の内股が赤い液体で染まっていることに気づいた。 咄嗟に目を背けたが、鮮やかなその赤が瞼の裏にくっきりと焼き付いてしまっていた。 「これから楓子ちゃんの…あぁ名前? これ楓子ちゃんの生徒手帳だろ?」 と、ロンゲが楓子の生徒手帳を広げてみせた。 「楓子ちゃんがおネンネしてる間に拾ったんだ。まッ、そんなことはいいとして。これから楓子ちゃんのお腹の中をキレイにしようと思ってね」 ロンゲがなにを言っているのか、楓子は理解できなかった。 「ほら。楓子ちゃんのかわいいお尻に、俺たちの極太チンポをブチ込むのに、楓子ちゃんのお腹の中にウンチが詰まっていたら邪魔だろ? 汚いし。だから…」 ロンゲが目で指図すると、小太りの男が洗面台の蛇口にホースを取り付け、水の出口側を楓子の肛門にねじ込んだ。 強烈な痛みに楓子が苦悶の声を出したが、やはりうめき声としかならなかった。 「止めてェー!」 という楓子の懇願は、「ウーウーッ!」としか聞こえない。 「なんだ? もっと入れて欲しいのか?」 男は力を入れ、ホースを奥へ奥へと突き刺す。 「そんなもんでいいだろ?」 「そうだな」 「じゃあいってみるか」 残忍な表情で楓子を眺めてから、ロンゲは蛇口をひねった。 見る見るうちに、楓子の腹部が膨らんだ。 「もういいだろ」 とロンゲは蛇口を閉める。 楓子の腹部は、まるで妊娠しているかの様だ。 最低でも、二リットルの水道水が注がれているだろう。 「で、これを引き抜くとどうなる…か」 小太りの男が、手にしているホースを一気に引き抜く。 埋もれていた部分のホースは、楓子の汚物が付着して褐色に変色していた。 プッという音と共に、楓子の排泄口から褐色の水が少量だけ飛び出す。 その一瞬後… ブーッ ブリブリーッ! 勢いが良い噴水の様に、大量の液体とふやけた固体が空に舞った。 それと共に楓子の腹部は急速に縮み、もとの大きさにもどる。 自らの汚物を頭から被った楓子の姿を眺め、男たちはゲラゲラと笑った。その嘲笑を受けながらも楓子は、まだビュッとかぷちゅッなどという湿った音と共に、汁けの多い排泄を続けていた。 「あーあ。こんなに汚しちゃって…」 楓子の汚物で汚れた床と楓子の躰。 楓子はビチャと音を立て下半身を倒し、再び仰向けになった。 ロンゲは放心している楓子の顔面を踏みつけ、足で汚物の溜まりに楓子の顔を押しつける。 「ほら。汚したらキレイにしなきゃ」 毎日、朝と夜の手入れを欠かさない楓子の髪は、汚物を含んだ水(というか汚物その物)をで斑模様に変色してしまっていた。 床側に押しつけられた頬に、ニチャッとした感触を感じながら、楓子は「ここ…どこ?」と思った。 (私…なにしてるの?) (気持ち悪い。なに…これ?) (なにか臭い…なんの臭いだろ?) 渦無く疑問に、答えは出なかった。 「なにしてんだ? 舐めてキレイにすんだよッ」 (舐める? …なにを…?) (これを? この臭いのを?) (…そうなんだ…) (これ…舐めなきゃいけないんだ…) 楓子は舌を出そうとしたが、なにかが口の中を塞いでいて出すことができなかった。 仕方がないので、どうやら楓子に指示をだしているらしい男たちに虚ろな視線を向けた。 「あぁそうか」 男の内の一人が、楓子の口から邪魔をモノを取ってくれた。 (これで大丈夫) 楓子は舌を出して、臭い液体を舐めた。 ピチャピチャ。 思ったより不味くはなかった。 と言うより、なんの味もしなかった。 こんどはふやけてドロドロしたのを口に含んだ。柔らかい割りに粘ついていたので、十分に咀嚼してから飲み込んだ。 これも、なんの味もしなかった。 (いっぱいあるから…がんばらなくちゃ…) (がんばって…キレイ…に…しなくちゃ…) 「なんだ? えらく素直じゃないか?」 「壊れたんじゃねーの?」 「いいじゃん。これはこれで面白いし」 「だな」 男たちは、楓子のその様子をビデオに撮り始めた。 その後…数時間にも及び楓子を陵辱し、デジタルカメラに収められた何枚かの写真データと、数本のビデオテープ、そして楓子の生徒手帳を手にし、放心している楓子をそのままにして男たちは姿を消した。
気が付いた時、楓子は自分の部屋にいた。 何故か裸だった。でも、そんなことは気にならなかったし、この方が気持ち良いから別に良かった。 躰中に、なにかがこびり付いていることにも気づいた。 「…まぁ…いいか…」 楓子はなんだかとても眠いので、寝ることにした。 ベッドまでの短い距離を一歩一歩進む度に、性器部分と肛門からなにかドロリとしたモノが零れ、内股を伝いポタポタと絨毯に落ちたけれど、楓子は気にしないことにした。 そしてベッドに潜り込み、楓子は心地よい眠りに就いた。 眠りに落ちる瞬間、楓子はなにか大切なモノを無くしたような気がしてけれど、それがなになのかは思い出すことができなかった。 |