「はじめに?」
「くすっ(コケテッシュな頬笑み)。桃の丘女学園初等部へようこそ、おにいちゃん。…って、なんでわたしが、こんなこといわなくちゃならないのよっ!」 いい子にしてたら飴やるぞ。 「いらないわよッ」 納豆味だ。 「なにが?」 飴。 「死ぬ?」 あぁ、八十年後くらいにな。 「今死ね。速攻で」 そんなこというヤツは、おにいちゃんに嫌われるぞ。 「いいわよ別に。そもそも、その「おにいちゃん」って誰よ?」 まぁいろいろだ。 「…帰る」 ま、まて風子。 「呼び捨てにしないで」 ほら、飴だ。サービスでキムチ味も。 「い・ら・な・いっ!」 珍しいんだぞ。キムチ味は…。 「知るかっ!」 風子は、飴嫌いか? 「呼び捨てにするなッ!」 じゃ、ふうちゃん。 「…それもイヤ」 わがままな子、おにいちゃんは嫌いだな。 「あんたねぇ…脳髄えぐるわよっ!」 お、落ち着け…冗談だ、冗談…。だ、だから、その脳髄えぐり機はしまえっ。 「せっかく「博士」に、脳髄えぐりマシーン「えぐりくん」を作ってもらったんだから、一度くらい使わなくちゃね」 使うなッ! それに「博士」って誰だ? 「世の中は不思議でいっぱい。「博士」の存在もその一つ」 そ、そうか…だったら仕方ないな。深くは追求しないでおこう。不思議にむやみに触れると、身体が水溶性になるからな。 「はぁ…もういいわ。で、結局なんの用なの? あんなバカなセリフ吐かせるためだけに呼んだの?」 いいや。「桃の丘」の新シリーズをやろうと思ってな。 「まだやるの? 止めておけば?」 お前も出るぞ。それにみゆりも。 「それを早くいいなさいよ。そういえば、初等部とかなんとか…」 そうそう。今回は初等部が舞台だ。お前たちが初等部三年の時の話。 「ふ〜ん。じゃあ、八年前の話なのね」 八年前じゃないぞ。よくみてみろ。お前の身体縮んでるだろ? 「…げっ!」 気付けよ。 「ちょ、ちょっと、これどういうことよっ。もとに戻しなさいよっ!」 いいじゃん。ろりぃなふうちゃんで。 「あんた、死…決定」 お前がろりぃってことは、当然みゆりもろりぃになってるぞ。 「…みゆりも?」 あぁ。 「そ、そう…仕方ないわね。だったら、特別に許してあげなくもないわ」 素直に、「ろりぃなみゆりに会いたい」っていえよ。 「う、うるさいわねっ!」 で、これが新シリーズ「ようこそ 桃の丘女学園へ」の設定だ。読め。 「命令しないで」 読みなさい。 「それも命令形」 朗読だぞ。朗読。 「人の話し聴けよ。って、あんたにいっても仕方ないわね」 わかってるじゃないか。 「えっと…なに?」 これだ、これ。 「時は西暦2011年…? って計算合わないじゃないっ!」 いいんだよ。前作読んだことある人なんて、数えるほどもいないんだから。設定変えたんだよ。 「ま、まぁいいわ。で、場所は日本某県、桃の丘(もものおか)市。 海に面した地方都市である桃の丘市には、全国有数の名門女子校「桃の丘女学園」がある。 …これは同じなのね」 いいから続けろよ。 「はいはい」 はいは一回。 「オヤジかっ、お前は。 で、桃の丘女学園は、幼等部、初等部、中等部、高等部の四学部からなっている。 基本的にはいわゆる「エスカレーター式」だが、学部をあがるためには簡単な試験があり、全ての生徒−桃の丘女学園では、在籍する者全て「生徒」である。初等部であろうと、「児童」とは呼ばない−は、無条件で上にあがれるわけではない。 とはいえ、その振るいで落とされる生徒はまずいない。 行われる試験で落とされるような生徒は、初めから桃の丘には合格できないだろうからだ。 って…あのさ、もう少しわかりやすく書けないの? 箇条書きすぎよ、これ」 ……。 「無視すんなよ」 …えっ? 説明終わったのか? 「…寝てたのか」 なんだ、まだ終わってないじゃないか。飴やらないぞ。 「クッ…(ぜったい死なす)。じゃ、続けるわよ。 桃の丘女学園には最先端の施設が完備され、敷地も学部ごとに広い。 だが少数精鋭の教育理念によって、生徒の数は規模に比べて多くはない。どの学部でも、一クラス最大20人であり、教諭の目が届く範囲に止められている。 具体的な数字をあげると、2011年度の幼等部の生徒総数は236名。初等部は468名。中等部は229名。高等部は232名である。 一学年につき四クラス。約80名の計算になる。 中等部と高等部には付属寮があり、それぞれ約三分の一の生徒が寮で生活をしている。 …あれ? これで終わり?」 終わったか? 「終わったけど、これじゃ説明不足よ」 いいんだ。後は本編の中で説明していくから。 「はぁ…そう?」 それじゃ、「ろりエロ駄文(を目指す)・ようこそ 桃の丘女学園初等部へ」スタートっ! 「な、なによっ! その、「ろりエロ」っていうのはっ?」 言葉通りだ。 「言葉通りって…」 スタートっ! 「えっ? ちょ、ちょっとまちなさいって〜っ!」 |