第十章 「冬真愛子(とうま あいこ)・初等部五年生の場合?」

 

 父親違いの兄の克久(かつひさ)に抱かれているとき、冬真愛子(とうま あいこ)は圧倒的な幸福に包まれ、自分が世界で一番幸せな女の子だと確信することができる。

 十三歳も年上の兄。誰よりも愛している。だから、なにをされてもいい。なんでもしてあげたい。

「兄さまが歓んでくださるなら、愛子はなんだってします」

 週に一度。愛子は日曜日になると、魔法瓶を抱えて克久が一人暮らしをしているアパートに向かう。電車で四十分、それから歩いて十分。八階建てのアパートの五階、502号室。大好きな克久の部屋。

 そして今日は日曜日。いつものように午前八時半に家を出た愛子は、克久のアパート前に到着していた。

 克久が歓んでくれるウンチをお腹いっぱいにため込んだ愛子は、セミロングの髪を手で撫でつけて整えると、ドキドキしながらインターホンを押した。

「待ってたよ。愛子」

 笑顔で迎えてくれる克久。愛子はその胸に飛び込み、

「逢いたかったですっ。兄さまぁっ!」

 重ねられる唇を貪り、舌を絡め合って唾液の交換をした。

 しばらくそうした後二人は浴室に向かい、裸になって布かれたエアマットの上で交わった。だがこれは、取りあえずの挨拶のようなものだ。

「いっぱい溜めてきたかい?」

 克久の問いに、愛子はぷっくりと脹れた腹部をさすり、

「はい…前に兄さまに抱いていただいてから、ウンチしてません」

「いい子だね。愛子は」

 そういって頭をなでられると、愛子はお漏らししてしまいそうなほど感じてしまう。

「どうぞ兄さま。愛子のウンチ、見てください」

 愛子は「それ」が克久によく見えるように、後ろ向きに四つん這いになってお尻を突き上げた。

 薄い臀部の奥のかわいらしい肛門が顔を現し、ぴくぴくと震え出す。すると、

 むちゅっ

 震える肛門を内側から押し広げ、芳しい香りとともに、少し黄色度の強い排泄物が「こんにちは」と挨拶をし、そして一気に噴出した。

 むりゅむりゅむにゅにゅ〜うっ

(これだけあれば、いろんな楽しみかたができるな)

 愛子の一週間分の排泄物がエアマットの上に山盛りになり、いやがおうにも克久は、今日のプレイに期待してしまう。

「うっ…ぁ、はうぅん」

 愛子の切なげな吐息とともに、浴室には排泄臭が満ちる。

 排泄を終えても愛子は、「ぷぴゅ」「ぷぴいぃ」などと、どこか湿った音で放屁を何度か繰り返し、やがてそれも止まると、

「ど、どうですか? に、兄さまぁ。愛子、ウンチいっぱい、がんばって、兄さまに歓んでもらいたくてぇ…」

 排泄物の残りが付着した肛門の周りも露わに、四つん這いでお尻を突き上げたまま告げる愛子。一週間ぶりの排泄はまさに「快感」で、身体が一気に軽くなったかのように思えた。

「よくがんばって溜めたね、愛子」

「は、はい兄さま。で、でも…ごめんなさい。ウンチとおしっこ、いっしょにしちゃダメっていわれてるのに、愛子、ちょっとお漏らししちゃいました…」

 愛子が申し訳なさそうにいう。

「いいんだよ、少しくらい。おしっこ、ちゃんと水筒に入れてもってきたんだろ?」

「はい。もちろんです、兄さま。昨日の分と今朝の分、新鮮なおしっこ魔法瓶に入れてもってきました。兄さまに飲んでもらいたくて、愛子のおしっこ飲んでもらいたくて。

 …あぁ、兄さまぁ。あ、愛子、もう…がまんできません。お尻にぃ…はぁ、はぁ…おしりにしてくださいぃ。

 愛子のお尻に兄さまのぉ…兄さまのチンポ入れてくださいぃ。

 はぁ…ぅん、兄さまのチンポほしいですぅ。兄さまのチンポで、愛子のお尻グチュグチュにしてください。

 お尻こわれちゃうくらい、メチャクチャにしてくださいぃ〜っ」

 愛子は小さなお尻を懸命に振り、克久に強請った。愛子はお尻を刺激する(される)と、すぐに脱糞してしまうため、克久にお尻でのオナニーは禁止されている。

 それは、前より後ろの穴のほうが感じる愛子にとって、相当の苦痛となっていた。

「おまんこだけじゃ満足できない。お尻もいじりたい。でも兄さまの命令だから、お尻はいじっちゃダメ」

 毎日のオナニー。なぜか愛子は、自室で勉強している途中で発情する。復習が終わり、次は予習。その区切りの間に、愛子は自分を慰める。

 スカートとショーツ、そして靴下までも脱ぎ、下半身になにも纏わずにするのが、愛子の「決まり」だ。

 使うのは指と、オナニー用の小瓶。いつ誰に貰ったか愛子は忘れてしまったが、その小瓶には「星の砂」が詰まっていて、動かすたびに「サラサラ」と音がするのが愛子は気に入っている。

 克久の写真を机の上に置き、それを眺めながら小瓶をヴァギナに入れ、クリトリスを指で捏ねたり摘んだりしていると、愛子は頭の中が真っ白になって、克久への「想い」で溢れそうになる。

「にい…さまぁ」

 イクときは、両親に聴かれないように小さな声で克久を呼ぶ。毎日の行為だが、愛子は終わった後の切なさに馴れることはない。

「自分でするのなんてきらい。兄さまにして欲しい。どうして兄さまは、家を出ていってしまったの?」

 克久が、「イラストレーターとしての仕事に専念する」という理由で家を出たのは、彼が美大を卒業した半年ほど前。それまでは、家族四人で暮らしていた。

 だが愛子は、こうも考える。

「兄さまが家を出たから、パパやママに知られることなく、兄さまに抱いてもらえる。兄さまが家にいたころは、パパやママのいないときにキスしてくれるだけだった。だから、これでいいのかもしれない」

 愛子が克久に初めて抱かれたのは、愛子が克久のアパートを初めて一人で訪れたときだ。それは、克久が一人暮らしを始めて三日目の日曜日だった。

 ベッドに腰を下ろしキスをしていると、不意に克久が愛子を押し倒した。驚いた愛子だったが、「兄さまになら、なにをされてもいい」とも思った。

 セックスという言葉は知っていたし、それがなにを意味することばなのかも、明確にではないが知っていた。

「セ、セックス…する…の?」

 訊ねた愛子に克久は、「イヤかい?」と返した。

 愛子は首を横に振り、

「兄さまがしたいのなら、愛子はいいよ。愛子、兄さまのこと大好きだから、セックスしても…いいよ」

 そして愛子は、克久に処女を捧げた。膣内に放出されたが、

「愛子は生理まだだから、兄さまの「せいし」で赤ちゃんはできない」

 ということも知っていたので、気にすることはなかった。クラスで一番進んでいる「鈴音(りん)ちゃん」の話では、最初はとても痛いと聴いていたが、思ったより痛くなかった。

「兄さまが、優しくしてくれたからだ」

 そう、愛子は思った。

「大好き…兄さま」

「ボクもだよ、愛子」

 繋がったままキスした。抜くことなく、二回目をした。

 次の週にはおしゃぶり。その次の週には、アナルセックスを教えてもらった。アナルセックスは、普通のセックスの何倍も気持ちよかった。

 アナルセックスをこなした後、プレイの前に洗面器に出した愛子の大便を克久が食べたことには驚いたが、なんだか「それ」も気持ちよかった。

 自分の大便を「おいしいよ」といって食べる克彦を見ていると、愛子はキュンとなった。そして「ウンチって、おいしいんだぁ?」と思ったが、自分のを食べるのには抵抗があったので、克久の大便を食べさせて貰った。

「おいしい。気持ちいい。いけないことしてるみたいで、ゾクゾクする」

 愛子は食糞初めてにして、三十センチはある克久の大便を全て胃の中に納めた。お腹がいっぱいになった愛子は、

「兄さま。ウンチって…おいしいね? 愛子、知らなかったぁ」

 フワフワと空に浮かんでいるような気分で告げた後、唐突に胃の内容物を戻し、咽せ込んだ。

 寝室の床にぶちまけられた排泄物色の吐瀉物。鼻の穴からもそれを滴らせながら、愛子は「もったいない」と思った。

「せっかく兄さまがくださったのに、吐き出しちゃうなんてもったいない」

 愛子は戻した吐瀉物を、床を舐めるようにして再び胃の中に全て戻すと、身体が火照ってがまんできなくなって、初めて自分から克久に行為を強請った。

 排泄物を胃の中に納めてのセックスは、それまでのどのセックスよりも気持ちよかった。こうして愛子は、急速にスカトロの道を突き進むことになり、排泄物は愛子にとって「おいしくて気持ちいいオモチャ」になった。

 そして愛子は、克久の「かわいいオモチャ」になっていった。

 

     ☆

 

 愛子の排泄物にまみれ、兄妹は互いの身体を貪りあった。

 浴室はいいようのない臭気に包まれていたが、二人には至高の香りだった。

「はい、兄さま。食べてください」

 自分の排泄物を膣内いっぱいに詰め込んだ愛子は、エアマットに仰向けに横たわる克久の顔をまたぎ、汚物がこびり付いた性器を克久の口元に下ろした。

 克久は愛子の細い腰を掴んで固定すると、美味しい果実がたっぷりと詰まったワレメに口をつけて吸い付く。

「くはあぁんっ! に、兄さまぁ。ど、どうですか? 愛子の「糞詰めマンコ」美味しいですか?」

 克久はそれには答えず、舌を使って穴を穿り果実を味わう。愛子も克久が果実を食べやすいように、これまでに学んだ力加減で膣内の果実を押し出した

(す、すてき。兄さまが「糞詰めマンコ」食べてる。愛子のウンチ、ジュパジュパ音立てながら食べてるうぅ)

 何度経験しても、克久が自分の排泄物を食べるという喜びは薄まらない。もっと食べて欲しい。もっと、もっとっ!

 こうして克久に自分の排泄物を食べて貰っていると愛子は、授業中に便意で苦しんだことや、ジュクジュクと腹部が痛んで眠れなかったことなど忘れてしまう。

(に、兄さまぁ…た、食べて、いっぱい食べてくださいぃ)

 汚物に染まった頬を、歓喜の涙で濡らす愛子。あまりにも幸せな時間。

 排泄物にまみれ、大好きな克久に抱かれる。むせ返る香りにクラクラする。思考能力が低下して、気持ちいいこと以外どうでもよくなってくる。

 自分と克久との境界線が曖昧になり、「一つ」になったように感じる。言葉を交わさずとも、克久がなにを考えて、なにを望んでいるのかがわかる。

(兄さま、おしゃぶりして欲しいって思ってる)

 愛子は口に排泄物を入れ、そのまま克久のペニスをしゃぶる。舌で、排泄物をペニスに刷り込むようにしてしゃぶる。それが、克久が好むしゃぶりかただからだ。

 だが愛子の口からペニスが出されるときには、ペニスに排泄物は付着していない。擦りつけた排泄物は、外に出す前に愛子が舐めとり、唾液とともに飲み込んでしまう。

 ちなみに克久は、愛子の口で射精するということはまずない。気持ちいいことはいいのだが、射精とまではいかない、愛子の舌技は、まだ「そこ」まで上達していない。

 愛子は自覚していないが、彼女は顎が疲れてくると鼻の穴がピクピクと震えだす。克久はその状態になると、「もういいよ」と愛子におしゃぶりを止めるように促すのだ。

 そう促された愛子はペニスについた排泄物を舐めとり飲み込んで、ペニスがきれいになってから外に出す。

(兄さまの大切なチンポに、いつまでも愛子のウンチをつけていられない。おしゃぶりさせてもらったあとは、ちゃんときれいにしなくちゃ)

 愛子にとって克久の身体は、とてもデリケートで大切な存在だ。確かにウンチプレイは気持ちいいが、最後にはちゃんときれいにしなくてはならない。そのことには気をつけている。

 おしゃぶりを終えた愛子は、克久に新しい排泄物を身体に塗って貰い、顔も身体もかわいく化粧し直すと、「お尻のオモチャ」を使って遊んで貰った。

 お尻の中でブルブル震える卵形のオモチャ。幾つものボールが連なったオモチャ。ボールをお尻に入るだけいれて、一気に引っ張り出して貰うと、身体中に電流が走ったように感じて気持ちいい。

 浣腸は、一度に二リットルはいける。ぬるま湯でぷっくりと脹らんだお腹を、ぎゅっぎゅっと軽く押して貰う。油断すると噴出しそうになるのを、お尻の穴をギュッと窄めて我慢する。我慢すればするほど、放出したときの快感は大きい。

 とはいえどんなオモチャも、克久のペニスには敵わない。克久のペニス以上に気持ちいい物など、この世にはない。

 そして身体が内側から灼かれるような直腸内への射精は、ペニスでしか味わえない至高の快感だ。

 愛子は肉体的にという意味では、アナルセックス以上に気持ちがいいことは知らない。汚物にまみれてのアナルセックスは、まるで天国にいるかのような心地よさだ。

 一通り「お尻のオモチャ」で遊んだ愛子は、克久に後方からアナルに挿入され、身体をすっぽりと包まれて覆い被られるような形で打ち付けられた。

 そのあまりの気持ちよさに、愛子は思わず泣きながら喘ぐ。

(気持ちいい。幸せ。大好き。愛してます、兄さまぁ)

 愛子は身体の内部全て、隙間なく克久のペニスで埋め尽くされたように感じていた。克久の腰が前後するたびに、巻き込まれた直腸が肛門の隙間から顔を見え隠れさせる。

 愛子はそれが、「もう、とんでもないことになっている」かのように思え、ゾクゾクとした快感にむせび泣く。

 涙と鼻水でグチャグチャになった顔の化粧が剥がれ、喘ぎに開く口に入り込む。その味が、益々愛子を興奮させた。

 糞まみれで、アナルにペニスを突き刺されている。あまりにも日常とはかけ離れた行為。

 普通じゃない。

(ウンチを身体中に塗って、大好きな兄さまのチンポを、お尻の穴に入れてもらっている。こんなことしてる子、きっと学校でもあたしだけだわ)

 そう思うと愛子は、自分を誇らしく感じ、自分以外の全ての同性に対して優越感を覚えた。

(あたしだけが、兄さまにしてもらえる。こんなに気持ちよくて幸せなこと、あたし以外の誰も兄さまにしてもらえない)

 自分は特別だ。選ばれた人間なんだ。

(すてき。もう…ダメえぇっ)

「あっはあぁんっ! う、うはっ、ひ、ひいぃ…に、にひさまあぁっ! もっ、くひぃいんっ! もっとおぉしてえぇ。あひっ、あ、あ、あふっ、ち、ちん…ぽぉおおぉ〜っ! きゅはあぁんっ! ひ、ひいのぉ、おし、おしりひいいのおおぉおぉ〜っ!」

 愛子は排泄物色の恥汁を性器から滴らせ、直腸を灼く精液が注ぎ込まれるまで、アナルだけで六回の絶頂に達した。

 

     ☆

 

 汚いのすてき。臭いのすてき。お尻最高。

 兄さまって、なんでも知ってる。

 こんなにすてきなこと愛子に教えてくれるなんて、兄さまは愛子のこと好きなんだ。愛してるんだ。

 あぁ…兄さま大好き。愛子、兄さまのためだったらなんだってできる。なんだってしてあげたい。

 愛子、愛する兄さまになんだってしてあげるの。

 だからもっともっと、兄さまに愛子を好きになって欲しい。もっともっと愛して欲しい。愛子を兄さまで満たして欲しい。愛子を兄さまの愛でいっぱいにして欲しい。

 大好き、兄さま。愛してる、兄さま。

 いけないって知ってるけど、兄さまと愛子はパパは違うけどママは同じだから、兄妹だから本当はセックスしちゃいけないって知ってるけど、結婚できないって知ってるけど、だけど愛子は兄さましか愛せない。兄さまにしか抱かれたくない。

 愛子の身体は、兄さまにしか触れて欲しくない。兄さま以外の男の子なんて気持ち悪い。最低。いなくなっちゃったらいいのに。

 愛子は、兄さまがいてくれればそれでいい。兄さまのウンチ食べて、おしっこ飲んで、兄さまに愛子のウンチ食べてもらって、おしっこ飲んでもらって、いっぱい、い〜っぱいセックスするの。抱いてもらうの。

 ウンチでお化粧して、兄さまに「きれいだよ」って、「かわいいよ」っていってもらって、身体中を舐めてもらって、兄さまの身体中を舐めて、おマンコにもお尻にもチンポ入れてもらって、チンポおしゃぶりさせてもらって、せいえきいっぱいもらって、気持ちよくしてもらって、気持ちよくしてあげるの。

 愛してます兄さま。ずっと愛子といっしょにいてください。ずっと愛子を愛してください。抱いてください。

 愛子はずっと兄さまといたいです。ずっとずっといっしょにいたいです。死ぬまで、ううん、死んでもいっしょにいたいです。

 大人になっても兄さまのお嫁さんになれないけど、愛子は兄さま以外の誰かのお嫁さんにはなりません。愛子は兄さまにしか愛されたくありません。兄さましか愛せません。

 わがままをいわせてもらえば、兄さまの赤ちゃんが欲しいけど、愛子にはまだ赤ちゃん産めないし、兄妹だから産んじゃいけない。

 でも隠れてこっそりとなら、赤ちゃん産めるかもしれない。もちろん、大人になったらだけど。

 そして兄さまと愛子と赤ちゃんと、三人で暮らすの。真っ白な壁のかわいいお家で、家族三人で幸せに暮らすの。

 赤ちゃんは、できれば男の子がいいけど、兄さまが女の子がいいっていったら、女の子を産みます。男の子でも女の子でも、兄さまに似たかわいい赤ちゃんを産みたい。

 …夢。楽しくて、でも少し悲しい夢。

 でも、愛子は信じてます。「そうしよう」って、「いっしょにくらそう」って兄さまがいってくださるのを。

 いつかきっと兄さまといっしょに、兄さまと愛子の赤ちゃんを抱ける日がくるのを信じてます。

 いいですよね? 兄さま。

 信じているだけだから、兄さまが困るかもしれなから、愛子は「兄さまの赤ちゃんが産みたい」なんていいませんから…。

 だから、信じていていいですよね? 希望を捨てないでいいですよね? あきらめないでいいですよね?

 いつかきっと夢が叶う日がくるのを、願っていてもいいですよね?

 大好きです兄さま。愛してます兄さま。

 これからもずっと愛子といてください。愛子を抱いてください。

 愛子はなんだってします。兄さまが望むのなら、なんだってします。

 離さないでください。愛子を離さないでください。

 信じています。兄さま。

 大好きです。兄さま…。

 

     ☆

 

 愛子の一週間分の排泄物が半分ほどになったころ、二人は一端シャワーを浴びて、昼食のためにプレイを中断した。

 裸に、フリルいっぱいにエプロンというかわいい姿で昼食を作る愛子。愛子は料理が得意で、お菓子なども上手に作れる。

 昼食はオムライス。愛子は鼻歌混じりにフライパンを巧みに操り、ときたまバスローブ姿でソファに腰を下ろす克久に微笑みかける。そして微笑みを返されると、

「あたし、兄さまのお嫁さんみたい」

 と思い、愛子はポワ〜ンとなる。それは、克久に抱かれているときに感じる幸せとは、少し違う幸せだ。

 料理を終えた愛子は、リビングの真ん中に置かれたガラスの円形テーブルに作ったオムライスを置き、克久のグラスに持ってきた魔法瓶からおしっこを注いだ。

「どうぞ、兄さま」

 克久のオムライスを包む卵には、ケチャップでハートマークが描かれている。まぁ、ある意味基本だろう。

 裸エプロンのまま床に布かれたクッションに正座し、克彦の対面に座る愛子。自分の作った料理を、自分のおしっこを飲みながら食べる兄。なんともいえない幸福が、愛子を包み込む。

(あぁ…なんて幸せなのかしら? 毎日が、こんなに幸せならいいのに…)

 週一回の幸福の時間。学園での厳しい授業も、家での勉強も、少し意地悪なクラスメイトのことも、この「克久のお嫁さん」でいられる時間には、全部忘れることができる。

 愛子は、自分では一生懸命勉強しているつもりだが、さほど成績がいい生徒ではない。クラスでも、下から数えたほうが早いだろう。

 だが今はそんな「イヤな自分」を忘れ、克久に甘えて、その優しさに包まれていればいい。

 楽しいとか、嬉しいとか、そういうこともあるだろうが、今はただ「幸せ」だ。

 目の前には大好きな兄がいて、手を伸ばせば触れることができて、キスを強請ればすぐにだって与えてくれるだろう。

 自分だけを見てくれる兄。兄だけを見ていればいい自分。その他には、なにも考える必要がない。

 イヤなこと、煩わしいこと、面倒くさいこと…そんなことは、なにも考えなくていい。克久のことだけを考え、幸せな時間を満喫していればいい。

 食事を終えた二人は、キスしたり身体をまさぐり合ったりしながら三十分ほど休憩して、再び浴室でプレイの続きを楽しむことにした。

 愛子はその途中で、何度か消化されきっていないオムライスを戻し、そのたびに排泄物を加えてまた胃の中に戻した。

 三度目の嘔吐の後、胃液とオムライスと排泄物が混合した嘔吐物を口に含み、そのままおしゃぶりをした。その「ゲロおしゃぶり」が気持ちよかったのか、克久は珍しく愛子の口腔内に射精した。

 愛子はそれが嬉しくて、精液が混じった嘔吐物を大切に味わってから飲み込んだ。

 プレイも終盤。山盛りだった排泄物は、すでになくなっている。どこに消えたのか不思議なくらいだ。

 愛子は汚物にまみれた身体を、同じように汚れた克久と複雑に絡め合う。

(今日も、いっぱい気持ちよくしてもらった。いっぱい優しくしてもらった。いっぱい愛してもらった。もちろん、あたしもいっぱい愛した)

 自分の中に満ちている克久への愛を、愛子は身体中を使って伝えた。

 涙が零れそうになるほどの幸福に包まれ、愛子は、

(大好き、兄さま。愛してます)

 と、心の中でそっと呟いた。

 プレイが終わるといつも、愛子はご褒美として克久の排泄物を食べさせて貰う。克久の臀部に顔を埋め、肛門に吸い付いて舌で穿ると、愛子の大好物が与えられる。

 愛子は顔を埋めたまま、与えられた大好物を貪り喰う。どんな高級料理も、克久の排泄物には及ばない。

 恥汁を滴らせながら、愛子は週に一度の大好物を味わった。

(お、美味しい…兄さまのウンチ、最高に美味しいぃ)

 大好物を食べ終えた愛子は、克久の肛門を舐めてきれいにする。

 それから二人はじゃれ合いながらシャワーを浴び、身体の臭いをとるためにふんだんにボディシャンプーを使って、身体を清めた。

 

「兄さま…今夜も、おやすみなさいのお電話していいですか?」

 玄関。目の前のドアを開け、そして閉めてしまうと、来週まで克久には逢えない。愛子は零れそうになる涙をグッと堪え、震える声で訊いた。

「あぁ、もちろん」

 愛子に優しい視線を向け、克久が答える。

「ありがとうございます。兄さま」

 優しい克久。大好きな克久。

(今度は、今日よりもっといっぱいうんちを溜めて、兄さまに今日よりもっといっぱい愛してもらおう)

 愛子が名残惜しげに外に出ると、

「気をつけて帰るんだよ」

 いい残して、克久が部屋のドアを閉めた。

 紫色の空に昇る白い満月。

 愛子は、その月を滲ませる涙を手の甲でそっと拭い、次に克久に逢えるまでの長いながい時間の始まりを覚悟した。



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