第十七章 「保乃華と剣子の場合? (後編)」

 

 森霧保乃華(もりぎり ほのか)が学園を休むことなど、これが初めてかもしれない、少なくとも彼女、成城剣子がしる限り、保乃華が学園を休んだのはこれが初めてだった。

(保乃華さま…)

 桃の丘女学園は、完全週休二日制である。

 週明けの月曜日。昨日は剣子に用事があって、保乃華とは逢えなかった。本来なら、二日ぶりに保乃華との逢瀬を果たせるはずだったのに…。

 たった二日。なのに剣子は、とても長い時間、保乃華の顔をみていない感じがしていた。それに昨日は、保乃華と愛し合っていない。

 日曜日を保乃華と愛し合って過ごすのは、すでに剣子の日常となっている。日曜日を保乃華と愛し合って過ごすのは、剣子にとって当たり前のことなのだ。

 しかし昨日は、突然、知人(というには関係は浅いが)の葬儀に出席しなければならなくなり、隣町の楓の辻町に出かけていた。

 できるだけ早く帰り、保乃華の家を訪ねるつもりだったのだが、その場の雰囲気が剣子の帰りを許していないような気がして、早々に場を発つことができなかった。

 それに、葬儀には絢目新(あやめ あらた)も出席していた。いつにも増してきつい目つきの新を、剣子は放っておけなかった。

 目を離すと、なにをしでかすかわからなかったからだ。

「ササメ…あんた、バカだな。死んで当然だ」

 吐き捨てるように、しかし握りしめた拳を震わせ、新が死者に言葉を向ける。口調から、新がとても心を痛めていることを、剣子は悟らずにはいられなかった。

 喪に服される者の名は、紅野笹雨(こうの ささめ)。変人としても、偉人としても、それなりに名を残した人物だ。

 笹雨の養子であり、喪主である紅野抄(こうの しょう)が、テキパキとはいえないまでも気丈に葬儀を取り仕切り、抄の婚約者であり、剣子にとっては二年前にクラスメイトでもあった呼虹らいる(こにじ らいる)が、抄を気遣うように彼の側に寄り添う。

 剣子は、らいると親しかったわけではない。会話を交わしたことも、数えるほどもないだろう。らいるが笹雨の養子の婚約者だとしったのも、葬儀に出席してからだった。

 剣子は、新を介して笹雨としりあった。一年半ほど前だろうか。桃の丘市でおこった連続少女失踪事件。剣子は新に巻き込まれる形で、事件に関わることになった。

 そのとき新は、柴崎琴香(しばざき ことか)という探偵と、紅野笹雨と三人で、なぜか事件を秘密裏に探っていた。それを、剣子も手伝わされたのだ。

 笹雨と知己を得たのはそのときだ。剣子からみても、笹雨は特異な人物だった。危険性と包容力を同居させているような人物で、新と「同種族」の「匂い」をさせていた。

 死んだと聞いて、すぐには信じられなかった。殺しても死ぬようには人にはみえなかった。

 だが、笹雨は死んだ。交通事故…ということだったが、新は「ササメは殺されたんだ。〈ゲーム〉にな」と、意味不明なことをいっていた。

 結局剣子は、葬儀が終わるまで場に居続けることになった。

 

 剣子は学園が終わるとすぐ、保乃華の家に向かった。

 休日でもないのに保乃華の家を訊ねる。初めてのことではないといっても、珍しいことではあるだろう。

「わざわざごめんなさいね、剣子」

 自室のベッドの上、上半身を起こして微笑む保乃華。だが、彼女の体調がすぐれないのは、彼女をよくしる剣子でなくとも、誰の目にも明らかだった。

 顔色が悪いだけではない。目の下にはクマができ、二日前より明らかに痩せてしまっている。それに肌のつやも、髪のつやまで悪くなっている。

(保乃華さま…)

 声にならない。なぜ? どうして!?

 ここ最近、保乃華の体調がすぐれないのには、剣子も気がついていた。

「少し、おやせになられましたね、保乃華さま」

 そう声をかけたのは、先週の木曜日のことだった。

 保乃華は色白で、顔色が悪くても気がつき難い。だが今は、色白というよりは、蒼く染まっているかのように白い。病的な白さだ。

「ほ、保乃華さま…びょ、病院へは、いらっしゃったのですか…?」

 剣子の問いに、保乃華は剣子から視線を逸らして苦笑しただけで、なにも答えない。

「保乃華さまっ!」

 保乃華のことが心配なあまり、つい声を荒げてしまった。

 保乃華は少し驚いたような顔で、剣子に視線を戻す。そして、微笑む…というよりは、まるで幼子のようにニッコリと笑った。

 ドキッ! っとするほどかわいらしい笑顔。剣子は頬を赤らめた。

 だが次の瞬間。

「ゴホッ! ゲホゲホゲホッ…ゴボッ!」

 保乃華は身体を折り、激しく咽せた。

「だ、大丈夫ですか!? 保乃華さまッ」

 保乃華の背をさすろうとする剣子。しかし背に触れる直前で、剣子の動きが止まる。

「…ッ!」

 両手で押さえられた保乃華の口元から零れる液体が、純白のシーツに零れ、拡がり、赤黒い染みとなっていた。

「ゥゲッ! ゲッ、ゲホゲホッ」

 保乃華が苦しげに咳き込むたび、シーツの染みは拡がっていく。

 剣子は目の前の光景に、刹那、血液と思考力を凍らせた。

 その凍結が溶けたあと、

「イヤアアァアァーッ! ほ、保乃華サマアァアアァッ!」

 剣子は、声帯が擦り切れるような絶叫を上げた。

      ☆

 保乃華が緊急入院してから、三日が経過した。その間剣子は、誰がなんといおうと病院内から一歩も外に出ることなく、一日のほとんどを保乃華の病室に一番近いベンチに座って経過させていた。

 面会謝絶と書かれた札が、結界となって保乃華と剣子を遠ざける。こんな理不尽なことは初めてだ。

 なぜ自分が、保乃華と引き離されなければならないのか。誰が、なんの権利があって、自分たちを引き離すのか!

 理不尽でしかない。そんな暴挙、認めるわけにはいかない。

(保乃華さま、保乃華さま、保乃華さまッ!)

 疲れや眠気、空腹は感じない。

 保乃華が心配だ。保乃華に逢いたい。保乃華に触れたい、自分に触れて欲しい。抱きしめたい、抱きしめて欲しい。キスしたい、キスして欲しい。

 優しい言葉が、優しい微笑みが…欲しい。

 元気になって、「剣子」…と、自分の名を呼んで欲しい。

 たったそれだけのことなのに、これまで、当たり前に「与えられて」いたものだったのに…。

 保乃華の病室から面会謝絶の札が外されたのは、これから二日後のことだった。

 

 信じられない。信じたくない。

(これが…保乃華さま?)

 ベッドに身体を横にして眠っている保乃華。かすかに寝息が聞こえる。でなければ、死んでいるようにさえみえた。

 骨と皮だけになり、かつての美しさはみる影もない。

「…保乃華…さま」

 死体のようさえ見える姿で眠る保乃華の手を、剣子が取る。あれほど艶やかだった保乃華に手はカサカサに乾き、指先はひび割れてしまっていた。

(こんなのはウソだ。私は信じないッ!)

 強がり。しかし強がりで事実を曲げることはできない。

 と、

「…つるぎ…こ?」

 保乃華の瞼が、うっすらと開かれた。

「ほ、保乃華さまっ」

 笑みのかたちをとる保乃華の表情。剣子も笑みを返そうとした。が、それはできなかった。意識に反して、剣子の双眸からは大粒の涙が零れていた。

「なに…ないて、る…の?」

 保乃華の声はかすれ、聞き取りにくかった。

「な、泣いてなど、い、いません」

「…そう?」

「保乃華さま…」

「心配かけて、ごめんなさい」

 涙が止まらない。嬉しいのか哀しいのかわからない。

 剣子は保乃華の手を取ったまま、うずくまるようにして泣き崩れた。

「保乃華さま、保乃華さまあぁっ」

 なんども保乃華の名を呼び、嗚咽する剣子。保乃華は無言で、感情の宿らない瞳を天井へと向けていた。

     ☆

 保乃華が入院して、今日で九日目。その間、保乃華の両親(離婚した母は行方不明)は一度も病室を訪れてはいない。

 しかし剣子は、そんな些細なことは気にならなかった。

 一日の大半を死んだように眠って過ごす保乃華の傍らにつき添い、学園にもいくことなく、保乃華のかすかな寝息が次の瞬間には途切れるのではないかと脅えながら、じっと耳を澄ませてその音に神経を集中する。

「すー…すー」

 本当に、かすかな寝息。

 繰り返し、繰り返し、「白い部屋」に溶けていく。

 時計の針が午後三時を指そうとする頃。

「…剣子?」

 今日初めて、保乃華の瞼が開き、声が発せられた。

「ご気分はいかがですか? 保乃華さま」

「えぇ…悪くないわ。ぜんぜん苦しくないの…くすっ、剣子のおかげね」

 保乃華の笑顔と言葉に、胸がいっぱいになる剣子。

「そ、そんな…私はなにも…」

「いいえ、剣子。ありがとう」

「…はい。保乃華さま」

 保乃華の調子はいいようだ。みた目ではわからないが、回復に向かっているに違いない。剣子は思い、嬉しくなった。

 この調子だと、すぐに保乃華は退院して、また「あの日々」に戻れるだろう。すでに懐かしく感じてしまうことが哀しい、幸福の毎日に。

 剣子は想像する。保乃華が退院したら、二人でなにをしよう。どこに出かけよう。なにを話そう。

 楽しいことを、楽しいことだけを想像する。

 と、

「ねぇ…剣子。窓を開けてくださらない?」

 保乃華がいった。

「ダメです。風がお身体に障ります」

「でも、開けてほしいの」

 微笑む保乃華。痩けた頬、落ちくぼんだ大きな瞳。剣子は泣いてしまいそうだった。保乃華は回復に向かっている。だから、泣く必要などないはずなのに…。

(少しだけなら…保乃華さまの望みだ。今日は調子がいいみたいだし、少しだけ、少しだけなら大丈夫)

「…わかりました。ですが、少しだけですよ?」

「ありがとう、剣子。大好きよ」

 なぜだろう? 辛い。「大好き」と告げられることが、これまでなんども告げられた言葉なのに、胸を引き裂かれるほどに…辛い。

 剣子は窓際に移動し、十五センチほど窓を開けた。

 風が冷たい。晩秋…というよりは、冬の風だ。

 空は今にも泣き出しそうに曇り、もしかしたら、夜には雪になるかもしれない。

「いい天気ね…剣子」

 剣子の後方で、保乃華が呟いた。剣子は返答に困り、

「そう…ですね」

 と小さく答える。

 そのとき、

 

 フワッ

 

 剣子の後方から温かな「風」が吹き、「それ」は一瞬というには少し長い時間剣子の身体を包み込むと、窓を抜けて外へと飛び立っていった。

 なぜか剣子には、「それ」が窓を抜けて「とても高い場所」へと旅だってしまったことがわかった。

 温かな「風」が吹き抜けたあと、剣子の全身を悪寒が包み込む。振り向くのがこわい。保乃華に目を向けることが、圧倒的な恐怖として剣子を支配した。

 ガクガクと膝がわらう。

「保乃華…さま?」

 震える声で、その名を呼んだ。

 だが、返答はない。

「保乃華さま」

 もう一度。だが、今度も静寂が返答を返す。

 ゾクッ!

 血の気が引いた。

「保乃華さまッ!」

 自分を奮い立たせるように大きな声を出し、剣子は身体を反転させ保乃華に視線を向けた。

 保乃華の瞳は閉じられていた。

(ね、眠ってしまわれたのだ…疲れていらっしゃるから。保乃華さまは、懸命に病魔と闘っておられる。疲れるのは当然…とう…ぜん…だ、だから、ね、眠って…)

 剣子は「眠って」しまった保乃華の妨げになると、開けたばかりの窓を閉める。震えて、いうことをきかない腕で。

(保乃華さまほのかさまホノカサマ…)

 女神の名だけが、剣子の頭の中に繰り返し奏でられる。「眠って」いる保乃華の傍らに向け、脚を進める剣子。まるで綿の上を歩いているように、足元がおぼつかない。

 ベッドに近づき、保乃華の顔を覗き込む。身動き一つしない保乃華。唇が荒れている…と、剣子は思った。

 しかしそれも今だけだ。保乃華が病魔になど負けるはずがない。保乃華は剣子の女神なのだから。

 女神が病魔になど負けるはずがない。

「お休みなさいませ、保乃華さま」

 剣子は、保乃華の荒れた唇に「また言葉を交わすまでの、お休みなさいのキス」を送るために、顔と顔を近づける。

 そっと…優しく、一番大切な「想い」を込めたキスを送るために。

 そのキスによって、保乃華の呼吸がすでに停止しているという現実を、突きつけられることとなるのも知らないで。

(愛しております。保乃華さま…)

 唯一絶対の「想い」を込めて、剣子は、「彼女の女神」に最後となるキスを送った。

     ☆

 成城剣子さんへ

 

 ねぇ…剣子?

 いいえ、剣子さん。

 あなたには、たくさん謝らなければならないと思っています。たくさん、感謝しなければならないと思っています。

 あなたと出会えて、わたくし、幸せでした。

 本当に、生まれてきてよかったです。

 この手紙を、あなたが手にしてくださるかどうかは、わたくしにはわかりません。

 このような手紙、あなたの目にふれない方がいいのかもしれません。

 でもこの手紙は、わたくしの最後の我がままです。

 剣子さん。

 大好きです。

 ずっと、大好きでした。

 あなたとわたくしを出会わせてくれた世界に、あなたとわたくしという存在を生んでくれた全ての人たちに、わたくしは感謝しております。

 ありがとうございました…と、いいたいです。

 

 どうしましょう。あなたに告げたいことはたくさんあるのですが、どう言葉にしてよいのかわかりません。

 ですから一言だけ、わたくしの本当の想いを記します。

 

 愛しています。剣子さん。

 

 PS

 泣かないでくださいとはいいません。わたくしも、今、泣いていますから。

 ですが、負けないでください。

 わたくしは、凛々しいあなたが大好きです。

 最後に、もう一度いわせてください。

 ありがとうございました。あなたと出会えて、わたくしは本当に幸せでした。

 

 森霧保乃華

 

 

     プロローグ 「剣子と保乃華の場合」

 

「お久しぶりです。保乃華さん」

 洋風の墓石に刻まれた名は、「HONOKA MORIGIRI」。

 剣子は保乃華が好きだといっていたかすみ草の花束を墓石に供え、そっとその黒い瞳を閉じた。

 あれから十年。

 二年を廃人として過ごし、どうにか立ち直ることができてから八年。

 成城剣子は二十一歳になっていた。

 あれからいろいろなことがあった。剣の師である絢目連基の死、恩人である絢目新は殺人犯として指名手配され、今でも行方不明だ。

 十七歳のとき、狂気に支配された女と闘った。まるで、闇の結晶のような女だった。

 十八歳のとき、かつてのクラスメイトを裏切った。もう、彼女と会うことはないだろう。とてもではないが、顔を見せることなどできない。噂で、婚約者の彼と結婚したと聞いた。彼女には、幸せになってもらいたい。

 そして去年、右目と右腕を失った。だが「決着」への代償と思えば、安いものだ。

「いろいろありましたけど、少し…落ち着きました。これからは、保乃華さんの側で暮らそうと思います」

 そう…いろいろなことがあった。廃人からどうにか立ち直っても、剣子はいつ死んでもいいと思っていた。保乃華の側にいけるのだから、それでいいと思っていた。発作的に自らの命を絶とうとしたことも、一度や二度ではなかった。

 だが今の剣子は違う。もう自らの命を絶とうとは思わない。死は「苦痛からの解放」ではない。そのことを、ある青年の生き様から教えられた。

 人の心が読める力をもった女性。自分と同じく恋人の死を経験し、それでも立派に立ち直った少年。愛する人を守るため、自らの命を投げ出そうとした女性。人間の脳を食べないと、死んでしまうと思い込んでしまった少女。その少女のために殺人を繰り返した少年…。

 その他にも、いろいろな人と会い、別れた。

 いろいろな経験をした。

 悲しいこともあった、嬉しいこともあった、勇気をもらったこともあった。そして、思った。

 あの頃の自分は、保乃華になにを求めていたのだろう…と。

 自分だけに告げられる優しい言葉を求め、自分だけに向けられる優しい微笑みを求めていた。

 自分だけに与えられる、保乃華の全てを求めていた。

 保乃華は、その全てを自分に与えてくれた。

 だが自分は、求めるだけで、保乃華になにも与えることができなかった。

 保乃華が書き残した手紙を読んだのは、保乃華がいなくなって三年近く経過してからだった。

 読んだ当初は、「記されていた言葉の羅列」の意味がわからなかった。

 だが、今ではわかる。

 保乃華が求めていたのは、「保乃華さまと剣子」の関係ではなく、「保乃華さんと剣子さん」の関係だったのだ。

 同じ人間として、対等な関係を保乃華は求めていた。

 だが自分は、保乃華の心に全く気がつかなかった。

 子供だった自分。自分よりは、大人だった保乃華。

 幼い恋だったと思う。

 だけど、本物の恋だった。

「保乃華さん…私は今でも、保乃華さんを愛しています」

 なにがあっても、それだけは変わらなかった。

 だから剣子は戻ってきた。愛する人のもとへ。

 自分の居場所は保乃華の傍らだけだと、あの頃よりは大人となった剣子自身が、そう決めたのだから。

「私はもう…あなたの側を離れません。もう、あなたを一人にはさせません。大好きです。保乃華さん。愛しています…保乃華さん」

 墓石から返答はない。だが、剣子は、

『本当に、それでよろしいのですか? 剣子さん。わたくしは、あなたに触れることができません。言葉を、微笑みをさしあげることはできませんのよ? それでも、わたくしを愛してくださいますか? わたくしに、あなたを愛させてくださいますか…?』

 ハッキリと、保乃華の声が聞こえた。

「はい。もちろんです、保乃華さん。私は、あなたに愛されたい。あなたを愛したい。あなたが許してくださるのなら、この先…ずっと」

 優しく凪ぐ風に、墓石に捧げられたかすみ草の花がふわりとなびく。

 まるで、剣子の言葉を保乃華が喜んでいるかのように。

 なにから話そう。保乃華に話したいことはたくさんある。保乃華に聞いてもらいたいことはたくさんある。

 だが、時間はたくさんある。これからは、ずっと保乃華と一緒に「生きて」ゆくのだ。

 剣子は焦る必要もないことを思い、しばらくの間、無言でその場に立ち続けた。

 



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