「お誕生日会」

 

 世界は「可能性」によって生まれる。我々が暮らす「この世界」も、そんな「可能性」の一つでしかない。

 だから、ある「可能性の世界」では常識的な事柄も、「そことは違う可能性の世界」では異常なことになったりする。

 そしてこれは、「この世界」とは違う、「似ているが異なっている世界」の物語。

 いや、物語などという仰々しいものではない。「その世界」では「こんなこと」が、微笑ましい日常の一コマとして、どこにでもありふれているのだから。

 

     ☆

 

『みさよちゃん。お誕生日おめでとうっ!』

 四人の少女たちが(一人は一テンポ遅れて、「めでとう」といっただけだが)声を揃え、10歳の誕生日を迎えたクラスメイトにお祝いの言葉を贈った。

 祝われた少女は、パパとママからのプレゼントのお洋服に身を包み、目一杯のオシャレ姿で自分のお誕生日会に来てくれた四人のクラスメイトに照れた顔を向け、それでもにっこりと微笑んで「ありがとう」と返す。

 広さ八畳の、ごく一般的家庭の居間。部屋の中心に置かれた長方形のテーブルを囲み、五人の少女たちが座っている。五人ともが、タイプは違えど「美少女」と呼べるレベルの容姿を持ち、「その方面の趣味」がある者には、「もうたまらんっ!」…ってな状況だ。

 この五人が集まっているのは、これから始まる「みさよちゃんのお誕生日会」のためだ。五人といっても、一人は祝われる立場の本人だが。

 こうして自分の誕生日を祝ってくれるお友達がいるということは、本人…みさよではなくとも嬉しいことだし、そして誇らしくもあることだろう。

 みさよは「愛らしい×5」レベルの可愛らしい少女で、腰元で切り揃えた長い髪がとてもよく似合っている。今日は、着ているふりふりフリルな洋服の色に合わせた白と空色のストライプ柄リボンで頭を飾っていて、まるでお姫さまのような装いだ。

 今日のアクセントとしては、「これっ」と決めた日にしかつけない薄桃色の色つきリップで唇をコーティングしていることだが、どうやらお友達たちは誰も気がついていないらしく、そのことに触れる子はいない。

 しかしオシャレは、さりげなくしてこそオシャレだ。誰にでもわかるようなオシャレは、本当のオシャレじゃない。

 みさよは、リップをつけていることを自分から主張するようなことはしない。そんなのは「かっこわるい」。

 お友達が手渡すプレゼントを、「にっこり笑顔」で受け取るみさよ。本当に嬉しそうな笑顔だ。嬉しくて、楽しくして、どうしようもないっ!…といったところだろう。

 みさよは何日も前から、今日のお誕生日会を楽しみにしていた。

 今年の誕生日は日曜日。クラスでも特に仲のいい四人を誘い、仲良しだけのお誕生日会。

 小学生にとっては、まさに一大イベント。

 そして今日は、お友達たちと約束していることもある。それは、「この世界」では「親愛の証」であり、いうなれば「もっと仲良しになる」ための「儀式」…だ。

 みさよは目の前のテーブルの真ん中に置かれた、なにも盛られていない大きなお皿に視線を向けた。

「もうすぐここに、みんなの…」

 想像するだけで、ドキドキしてウキウキしてしまう。

「みんなのは、どんな色なのかしら? どんな味なのかしら?」

 みさよはまだ、自分と家族の「モノ」しか知らない。浮ついた気分になっても仕方のないことだ。

「じゃ、あたしからするね」

 みさよにいったのは、四人の中で一番背の低い梨香(りか)だった。梨香はクラスでも一番小さいが、勉強は一番できる。運動も得意で、男の子にだって負けていない。髪型はショートで、耳が半分隠れるくらいの長さだ。

 梨香はそういうと、薄茶色の裾の拡がったショートパンツのベルトを緩め、パサッと下に落とす。

 露わになったのは、「鰯(いわし)」という巧みな文字がバックプリントされたショーツ。最近流行の、「一文字ショーツ」だ。

 そのショーツも脱ぎ下半身を丸出しにした梨香は、テーブルに上りみさよに背を向けて、大きなお皿の上にしゃがみ込んだ。

「ちゃんと見ててね? みさよちゃん」

 首だけで振り返り、みさよに告げる梨香。みさよは「うんっ」と元気よく返した。

 梨香は小さく薄いお尻に右手を添え、閉じた穴の周辺をクネクネとこね始める。みさよはその様子を凝視し、

「梨香ちゃんのお尻の穴、すごくやわらかそう…うらやましいなぁ」

 と、思っていた。

 女の子にとってお尻の穴がやわらかく弾力性に富んでいるということは、かわいいとか、きれいとかいう以上のステータスである。

 やはりなにをするにも、一番大切なのはお尻の穴だ。どれほど顔がかわいくても、お尻の穴が小さくて硬い女の子は、男の子に人気がない。

「うっ…んっ」

 不意に、穴周辺をこねていた梨香の指が、一度に二本も根本まで内部に埋もれた。

「み、みさよちゃぁん…だ、だすよ。五日分だから、いっぱい…だすからね」

 梨香の言葉に、胸がきゅんとなるみさよ。みさよは一日もがまんできないのに、梨香はみさよのために五日分も溜めてきてくれたなんて。

 梨香がその二本の指を、ぷちゃっ…と引き抜く。と、それに続いて、

 ぶにゅっ…ブチびちゅ。ジュ、ぶりりゅりゅるう〜ぅ

 途切れることも、切れることもなく捻り出されてくる梨香のウンチ。五日分というのはウソではなかった。

 白い大皿に繋がった線を描き盛られていく「梨香ウンチ」は、みさよの目には嫉妬してしまいそうほど美味しそうに映った。

「梨香ちゃんって、勉強や運動だけじゃなくて、ウンチもすごいんだぁ」

 こんなウンチを見せられたら、大抵の男の子は参ってしまうだろう。こんな美味しそうなウンチを見るのは、みさよは初めてだった。

 自分のウンチも「それなり」だと思っていたが、まだまだ努力が足りない。

「がんばって、梨香ちゃんみたいなウンチをひねれるようにならないと…」

 みさよは決意を新たにする。やはり好きな人には、「みさよのウンチは世界一だね」といってもらいたいし、結婚式では誰もが驚くような「捻りの舞」を披露したい。女の子なら、誰もがそう思っていることだろう。

 ぷりっ…と、最後の音も鮮やかに排泄を終える梨香。そのお尻の穴周辺には、残り粕はついていない。

 みさよは、その鮮やかな排泄に声も出ない。

「ど、どうだった? みさよちゃん」

 訊ねる梨香に、

「う…うん。すてき…だったよ」

 なんとか、みさよは返す。

「よかったぁ。がんばって溜めてよかったよ」

 梨香ははにかみ、「えへへっ」と笑うと、テーブルを降りてお尻を拭かずにショーツをはき、次いでショートパンツをはいて元いた場所に座った。

「じゃ、次、早苗ちゃんだよ?」

 梨香の言葉にメガネをかけた女の子、早苗(さなえ)は少し自信なさそうに肯くと、

「あ、あたし、梨香ちゃんみたいに、すてきじゃないけど…いい?」

 消え入りそうな声でいった。

 早苗は、なんだか子犬みたいな雰囲気の女の子だ。

 髪型は大抵がサイドに流す三つ編みで、今日はお友達のお誕生日会という特別イベントを意識してか、三つ編みの先に白いリボンを結んでいる。

 早苗はロングスカートと純白のショーツを脱ぎ、梨香と同じように下半身を丸出しにして、おずおずとテーブルに上った。

「じゃ…するね」

 グイッと両手でお尻のワレメを左右に拡げ、ぽっかりと空く穴を露わにする早苗。その穴から捻り出すというよりは、こぼれ落ちるようにウンチが顔を見せた。

 滑らかな排泄。にちゅ…という小さな音を数回発しただけで、早苗は排泄を終えた。

 梨香の長い一本ウンチに重なるように排泄された早苗のウンチは、鮮やかなくらい黄色が強く、表面はテラテラと滑り、輝いている。

 臭いもきつくて、みさよは脳に直接響くような心地よい刺激臭にクラクラした。

「あ、あたしのは、二日分だから…す、少なくてごめんなさい」

 確かに梨香のウンチと比べると、その量は三分の一程度だ。だが、臭いがそれを十分に補っている。

 早苗は穴周辺の残り粕を指で拭い、その指をチュパチュパと舐めるという動作を四、五回繰り返し、お尻をきれいにしてからテーブルを降りてショーツとスカートをはいて座った。

「最後は、わたくしたちですわ」

 そういったのは、セミロングの女の子。

「美味しいの…する」

 これは、下ろせばお尻にまで届くような長い髪を紅いリボン…というより、これはスカーフだろうか、で縛り上げた女の子。

 二人の顔は、表情に多少の違いはあるものの、作りは全く同じものだ。

 だが、それもそのはず。彼女たちは、一卵性の双生児なのだ。

「がんばりましょうね? 玲亜ちゃん」

 と、セミロングの妹、詩亜(しあ)が、姉の玲亜(れいあ)に微笑みかける。玲亜は詩亜に、

「…がんばる」

 といって、小さく肯いた。

 二人は同じような動作で靴下以外の衣服を脱ぐと、ほぼ産まれたままの姿でテーブルに上がった。

 こうして見ると、双子はその顔に比べて身体つきが異なっている。

 玲亜は姉らしく(?)胸が膨らみ初めているが、詩亜は全くのペッタン胸だ。腰元も玲亜のほうが細く、キュッとしまっている。

「玲亜ちゃんからね?」

 詩亜がいうと、玲亜はテーブルに四つん這いになって、お尻を詩亜に向かって突き出す。詩亜は左手の中指と人差し指を揃え、しゃぶって唾液を塗すとそれを玲亜のお尻…ではなく、スリットの奥にニュルッ…と埋めた。

 内部に埋めた指を動かし、ニュチにゅちゅ…と玲亜を「演奏」する詩亜。と、

「…そこ、違う」

 玲亜はされるがままの姿勢で、冷静なツッコミを入れた。

「あははっ。ごめんなさい、玲亜ちゃん。ほら? いつもはこっちでしてるから…ね?」

「…冗談?」

「えっ?」

「本気?」

「ま、まさかぁ…じょ、冗談よ。あはっ、あはははっ」

「こっちは、家に帰ってから。今は、後ろ」

「そ、そうよねぇ」

「家に帰ったら、詩亜のしたいようにして、いいから」

 二人の漫才というか、ある意味ラブラブな掛け合いを眺めるみさよは、

「この二人って学校でもキスしたりしてるから、もしかしたら…って思ってたけど、ホントにそういう関係だったなんて…」

 ちょっぴりショックだった。

 みさよは、まだ未通穴者(処女)だ。とはいえ、クラスの女子児童の半数以上は未通穴者だろう。早苗が通穴者だとは知っていたが、玲亜と詩亜も姉妹でそういう関係であり、少なくとも玲亜が通穴者であったとう事実に、みさよは自分が「遅れている」のかもという焦りを感じてしまった。

 みさよだって、早く通穴者になりたい。だが、やはり最初は好きな人に穴開けして欲しいと思うのは女の子として普通のことだし、みさよもそう思っている。

「早苗ちゃんはパパが好きだから、七歳の誕生日にパパに開けてもらったらしいけど、わたしはパパに穴開けしてもらいたいとは思わないなぁ…わたしは、やっぱり…」

 みさよは大好きな担任教師の顔を思い浮かべ、一人で勝手に頬を赤らめた。

 と、まぁ、みさよが頬を赤らめたりしている間に、テーブルの上では詩亜が玲亜のお尻の穴をほじくっている。

「どう? でそう? 玲亜ちゃん」

「うン…まだ」

 それを聞いた詩亜は指を抜き、玲亜のお尻に顔を埋めて、舌で穴をほじくる。

「うわっ! なめなめだぁっ」

 みさよは詩亜の行為にびっくりした。お尻の穴を「なめなめ」するのは、恋人同士がすることだ…と、みさよは思っていたからだ。

 詩亜が玲亜にしている「なめなめ」行為は、「この世界」では、我々が考える「ディープキス」のような行為だろう。みさよが驚くのも無理はない。

 詩亜の口で、ちゅくちゅくと奏でられる玲亜のお尻。詩亜は玲亜のお尻の穴を舌でほじりながら、スリットも指でほじっている。

 どうやら詩亜は、玲亜のスリット…というか、「前の穴」で遊ぶのが好きらしい。

 詩亜が玲亜を舌でほじり初めて、三分も経とうかという頃。

「…あ、でる」

 呟くと同時に、玲亜が詩亜の口の中に排泄した。

「うぐっ」

 詩亜は、口の中いっぱいに玲亜のウンチを頬張り顔を上げると、口の中のウンチを大皿に吐き出した。

「まだ…でる」

 という玲亜のお尻に、再び顔を押しつける詩亜。そして言葉通り出されウンチを頬張り大皿に…という行為を、計五回繰り返した。

「もう終わり? 玲亜ちゃん」

「…うん。でない」

 排泄を終えた玲亜と、詩亜が攻守を交代する。今度は詩亜が四つん這いになって、玲亜にお尻を向けた。

「お願いね? 玲亜ちゃん」

「うん…がんばる」

 玲亜はそういうと、右手の中指とその左右の指三本を、ねじり込むようにして一気に詩亜のお尻の穴に埋める。

「イグうぅっ!」

 背を反らし、悲鳴を上げる詩亜。だが玲亜は、埋めた指をねじりを加えながら激しく動かした。その顔には、うっすらと笑みが浮かんでいる。

「れ、玲亜ちゃん…詩亜ちゃん、大丈夫なの?」

 どう見ても痛そうな詩亜を心配し、みさよが玲亜に声をかけた。

「大丈夫…詩亜は、いつもこうだから」

 なにが、「いつもこう」なのだろうか? みさよには理解できない。

「ね、詩亜…」

 平坦な口調の玲亜。だがその腕は、激しく詩亜を責め立て続ける。詩亜は玲亜に答えることなく、苦痛ともとれる形に顔を歪め「ひぐひぐ」鳴いていた。

「詩亜のお尻の穴…硬いの。こんな硬い穴の子、男の子は相手にしない。だから、玲亜が…くすっ、クスクスクスっ」

 凍えるような瞳で笑う玲亜。なんだか知ってはいけなかった玲亜の一面を知ってしまったようで、みさよは引いてしまった。

 だが詩亜は、「痛い」とも「やめて」とも、一言も口にしていない。

「で、でも…この二人がいいのなら、これでいいのかも」

 無理やり自分を納得させ、みさは黙って二人を眺めることにした。

「詩亜…はやく、だして」

 玲亜はいい、グイッ…と、腕を使って指を押し込む。それでは、出せるものも出せないと思うが。

「ご、ごめんなさい、れ、玲亜…ちゃん」

 苦しそうに告げる詩亜。

「お、お皿…お皿、近づけて。ベチョッ…って、で、でちゃう。汁っぽいの、でちゃうのぉ」

 詩亜の懇願に、梨香と早苗、そして自分のウンチが盛られた大皿を、玲亜は詩亜のお尻の下に移動させた。

 詩亜は玲亜の指で栓をされたお尻を、小刻みに震わせながら大皿の真ん中に寄せる。

「…ぬくよ。詩亜」

「い、いいよ。玲亜ちゃん…」

 玲亜の三本の指が、ヌクチャッ…と引き抜かれる。詩亜はビクンッ! と、一度肩で大きく跳ね、

 ブビイィいぃーッ! ぶっ、プチャッ! ピッ、ぴちゅ、ぶりにゅるにゅるうぅ〜っ。

 最初はウンチ汁の噴射。次いで半液状のびちウンチ。そして最後は、やわらかそうなにゅるにゅるウンチを溢れさせた。

 中腰で大皿の上にしゃがみ込む詩亜。そのお尻からは、まだポタポタとウンチ汁が零れて落ちている。

「詩亜」

 玲亜の呼びかけに詩亜は肯き、再び四つん這いになると、ウンチ汁まみれのお尻を玲亜に突き出した。

 玲亜はそれが当然のように、無言で詩亜のウンチ汁を舌できれいに舐め取る。

「もういいよ。玲亜ちゃん」

 詩亜のお尻から顔を離す玲亜。

 そして二人はなにもなかったかのようにテーブルを降り、服を着て元の場所に座った。

 二人の激しい排泄を見せつけられた三人は、ぽか〜んとした顔で二人を見る。

「ちょ、ちょっと…はげし過ぎた、かしら…?」

 詩亜の言葉に、

「…う、うん。ちょっと…ね」

 みさよは答えた。だが、

「詩亜は、痛いの好き…なの」

 との玲亜の言葉で、みさよは納得した。確かに、痛いのを好きな子もいる。詩亜がそうだったとは知らなかったが。

 しかしみさよは、また一つ詩亜のことを、そして玲亜のことを知れて嬉しく思った。やはり仲良しのお友達のことは、少しでもよく知っておきたい。

 それが友情というものだ。

 これで、四人のウンチが出そろった。

 大皿に盛られた四人のウンチ。色の形もそれぞれで、なんとも色とりどりなウンチたちだ。

「みんな、ありがとうね」

 みさよは胸がつまる思いだった。

 そう…「この世界」では、捻りたてのほっかほかウンチをプレゼントされることが、一番の「親愛の証」なのである。

 …いや、マジで。

 恋人同士なら、お互いのウンチを交換して食べるのは普通だし、かわいい女の子の手作りウンチ料理は、男なら誰でも一度は食べてみたいと思っているものだ。

 二月十四日には、女の子が自分のウンチをハート形にして好きな男の子に手渡すという「イベント」もごく一般的に行われていて、実際みさよも今年の「イベント」には自分のウンチをハートに固めて、担任教師に渡そうとした。

 だが結局、それは恥ずかしくて渡せなかった。

「だってせんせぇ…人気あるんだもん」

 みさよは「お気軽」にハートウンチを手渡せるほど、いいかげんな気持ちで「せんせぇ」が好きなわけではない。本気で好きなのだ。

 将来は「せんせぇ」と結婚するつもりでいる。「せんせぇ」はまだ未婚だし、みさよにも「可能性」がないというわけではない。

「さ、みさよちゃん。はやく、冷めないうちに食べてよ」

 梨香が促す。

 みさよは「うんっ」と四人に微笑んで、大皿に手を伸ばした。

 グチュッ

 手の平いっぱいに四人のウンチをつかみ取り、それを口元に運ぶみさよ。大きく口を開け、ニチャッ…とかぶりつく。

 四人はその様子を微笑んで見つめている。普段は無表情な玲亜までもが、なんだか嬉しそうな顔をしていた。

「どうですか? みさよちゃん」

 詩亜の問いにみさよは、

「うんっ! みんなのウンチ、とっても美味しいっ」

 口元をウンチで染めた顔で、愛らしく笑った。

「…よかった」

 と玲亜。早苗は感極まって泣いている。早苗はちょっとしたことでもすぐに泣くので、早苗が泣いているからといって、誰も心配して声をかけることはない。

 ニュチャにちゃと音を響かせて、大好きなお友達のウンチを味わうみさよ。鼻から通る芳しい香りが心地よく、股間がぽかぽかムズムズとした。

 そして、一通り四人のウンチを口に入れたみさよは、

「みんな…今日は本当にありがとう。わたし、すっごく嬉しいよ」

 小さな胸にじ〜んっ…とした温もりを宿し、四人を見回してお礼をいう。

 お礼をいわれた四人は、それぞれ照れたような顔をしていた。

 本当に、心が温まる光景だ。

 幼い少女たちの友情。その絆。

 彼女たちにはいつまでも、こうして仲良くしていて欲しい。そして楽しい毎日を送ってもらいたい。

 この少女たちには、その資格があるだろう。

 愛らしく、そして健やかに育っていく資格。そしていつかすてきな異性と巡り合い(玲亜と詩亜は、まぁ、「今のまま」でもいいが…いや、いいのか?)、

「キミのウンチは、世界一美味しいよ」

 と告げられ、

「いいえ、あなたのウンチが世界一です」

 などと、「バカップル的会話」を本気で交わすような、そんな幸せな未来を得る権利が。

 だが今の彼女たちにとって未来は「可能性」でしかなく、「いつか語られるだろう夢物語」でしかない。

 だから、今はこれでいい。「仲良しなお友達」だけで、楽しい時間を過ごしていればいい。

 そして五人は仲良く、まだたくさん残っている自分たちのウンチをお菓子につけて食べたり、ジュースに溶かして飲んだりしながら、お誕生日会を心ゆくまで楽しんだ。

 その間、彼女たちの楽しげな笑い声が絶えることはなかった。

 少女特有の、甘く愛らしい笑い声が響くなか、「この世界での日常」は、今日も「どこか」で続いている。

 


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