はつねのお話

 

     Aパート

 

 もうすぐあたしは、ショコラの「お姫さま」じゃなくなっちゃうんだろう。

 それは、「たぶん」じゃなくて、「きっと」。

 さいきん、あたしのおっぱいはふくらんできた。ブラはまだいらない(と思う)けど、クラスメイトではしてる子もいるし、せーりになった子もいるらしい。

 せーり……せーりになったら、「お姫さま」じゃいられなくなる。

 あたしだって、なんにんもの「おともだち」をみおくってきた。こんどは、あたしがみおくられるばん。それだけのことなのに、なんだかとてもさみしい。

 ママは、あたしがこのお仕事をしていることを、口にはしないけどイヤがっている。パパは、はじめはイヤがっていたみたいだけど、いまはなにも思ってないみたい。

 だけどあたしは、このお仕事、キライじゃなかった。

 う〜ん……まだ「お姫さま」なんだから、キライじゃない……かな? でも、キライじゃなかったって、なんだかそんなきもちかも。

 こんやは「お仕事」。

 もしかしたら、こんやがさいごかもしれない。なんだか、そんなきがする。

 たのしいよるになればいいな。

 ずっとおぼえてられるような。

 いっしょうのおもいでになるような、たのしいよるになればいいな……。

 

     ☆

 

 これが、一生に一度、最初で最後の体験になるかもしれない。というより、そうなるだろう。自分のような一般世界民が、〈統一政府〉が直々に運営する施設(それもランクBの)を利用できるなんて、そうあることじゃない。

 キリオは、自分が場違いなところにいることを理解しながらも、それなりに落ちついてそのようなことを考えていた。

 落ちついている? いや、緊張しすぎてわけがわからなくなっているのかもしれない。でも、落ちついていると感じられているのは、わるいことじゃないだろう。

 自分がおかれている状況を再確認するように、室内をみまわすキリオ。

(ま、フツウのホテルだよな)

 普通というには高級感がある部屋だが、内装は「一般的」なホテルと違いはない。あえて違いをあげるなら、窓がまったくないということだろうか。

「どうかした?」

 と、部屋の主役っぽくみえる大きなベッドを背にして立つ少女が、キリオに声をかける。彼女の名は「はつね」。今夜、キリオの「お相手」をつとめてくれることになっている「お姫さま」だ。年齢はかろうじて二桁で、身長は143cm。成長しはじめたばかりの胸元が、おしゃまに自己主張している。

(こんなかわいい子と、裸同士で部屋にふたりきりなんて、ホントに夢みたいだ)

 学院でのキリオの研究論文が評価され、「〈統一政府〉が運営・管理する施設」の利用を含む「特典」が与えられたのは、つい十日前のことだった。

『シーヴァ』ばかりを集めた研究施設の見学、〈統一世界〉で一番の頭脳といわれている、最上級『シーヴァ』月嶋あい(つきしま あい)博士の講義の受講といった、研究者の端くれであるキリオにとってはぜひ体験してみたいものを選ぶこともできたのだが、

「どうせ、一生に一度のことだ。一番したいことを体験させてもらおう」

 そう考え、キリオは「ここ」の利用を選択した。

 幼い少女(または少女ともよべない幼女)たちとスカトロジックな遊戯が楽しめる、〈統一政府〉が直々に運営する風俗施設、「ショコラ」の利用を。

 ショコラはキリオと同じ趣味(幼いおんなの子がすきで、かつスカトロジックな性癖)を有する仲間うちでは、一生に一度は利用してみたいといわれている「夢の空間」である。

 が、「夢」は所詮「夢」。『シーヴァ』でもないキリオのような一般世界民が、そう簡単に利用できるものではない。

 しかしキリオは幸運と努力で、一生に一度のチャンスを手にすることができた。できたのだから、精一杯楽しみたい。しかし、どう遊べばいいのだろう。どこまでが許可されているのだろう……「レベルAまでの解放」ということだったが、それがどのくらい「すごい」ものなのかわからない。

 なので彼は、自分がどのようなプレイをしたいのかを考えた。そして「ゲンキな感じの子と、仲良く遊びたい」という結論にたっし、「お姫さまたち」のプロフィール映像のなかから、ショートの髪型がよく似合っている、ゲンキいっぱいな感じで笑顔がとてもかわいい少女……「はつね」を「お相手」に選ぶことにしたのだった。

「あーっ! もしかして、おっぱいみてるの? さいきん、ふくらんできちゃたんだぁ」

 はつねが、活発そうな雰囲気とは少し印象のズレた砂糖菓子のような甘い声色で、黙ったままのキリオへと再度声をかける。

 たしかにプロフィールの映像と比べると、少し成長しているようにみえる。胸が……というわけではなく、全体的にという意味で。かといって、それで彼女の魅力が低下したということはない。胸元の膨らみはむしろほどよい大きさで、少女らしい愛らしさを演出しているともいえる。実際キリオは、そのゆるやかな双丘に目と思考力を奪われていた。

 はつねはぼーっと突っ立っているキリオの腕を取ると、ベッドへと引っぱっていき、ふたりは横にならんでベッドの縁に腰をおろす。

「お兄さん、なんだかキンチョーしてる?」

 自分では落ちついていると思っていたのに、他人がみればそうみえるのだろうか。

「そ、そうかな?」

「うん、そうみえるよ。はじめてなの?」

 はじめて? それはそうだ、物心ついたころには家族とも離され、ずっとオトコばかりの学院で勉強づけの時間をすごしてきたのだから。

 正直なところ、こうしておんなの子とふたりきりで会話するのも初めてといっていいだろう。

 少女に経験の有無をとわれ、自信満々に「はじめてです」と答えるのもためらわれる。

「だいじょーぶだよ。お兄さんがしたいことをすればいいんだよ? いつもはどうやってあそんでるの?」

 いつもは? どうやって……?

 どうやら「はじめてなの?」というのは、性経験ではなく、「ショコラ」がということだったらしい。はつねは、キリオが未経験者だとは想像もしていないのだろう。

 キリオは経験の有無について口をつぐみ、

「ほら、ここは少し特殊な施設でしょ? それに僕がここにこられるのは、今夜が最初で最後だと思うから、どうすればいいのかよくわからないんだ」

 とだけ答えた。

「さいしょで、さいご……?」

「うん、そうなるだろうね。ここは、僕みたいな平凡な人間が、そうなんども利用できる施設じゃないから」

 ザンネンなことに……心のなかでそうつづけた。

「じゃ、じゃあお兄さん」

 はつねがなにをいおうとしたのか最後まできくことなく、

「ねぇ」

 キリオがそれにわりこむ。

「え?」

「えっと……その、お兄さんっての、どうにかならないかな?」

 キリオの言葉に、

「あっ、ご、ごめんなさい。なんてよべ……およびすれば、よろしいでしょうか? お兄さまでよろしいですか? それとも、ごしゅじんさまのほうが……」

 はつねはシュンとしていった。どうやら、自分の態度や言葉づかいがよくなかったのだと思ったようだ。

 だがキリオは、

「や、やめてよ、そんなの。キリオでいいよ。本名じゃないけど、友達はそうよぶんだ」

 彼女の言葉づかいが気になったのではなかった。

「キリオ……さん?」

「キリオ。ただのキリオでいいよ」

「えっ、で、でも」

「いいから。友達みたいに接してほしいんだ。ダメかな?」

 友達感覚で、「遊び」の延長のような楽しいプレイがしたい。そう思ったから、「彼女」を相手に選んだ。はつねとだったら、一生の思い出にできるような、楽しい時間がすごせるんじゃないかと思ったから。

 はつねは少し考えるような顔をしてから、

「う、うん……わかったよ、キリオ。だったら、あたしのことも、はつねでいいからね」

 キリオが求めていた言葉と楽しげな笑顔をくれた。

「うん、はつね」

 キリオも、彼女に笑みをかえした。

 ふたりは声をあげて笑いあい、そしてその響きが収まると同時に、どちらからともなく顔を接近させていった。

 ゆっくりと、はつねの顔が近づいてくる。まぶたが閉じられる。長いまつげ。

「んっ」

 唇にふれる、やわらかなもの。次の瞬間には、唇の隙間からなにかがもぐりこんできた。それがはつねの舌だと理解するのに、キリオは多少の時間を必要とした。

 唇の内側、閉じられた歯をなめるはつね。そのなんともいえない心地よさに、キリオの心臓がキュッと絞られる。

 

 くちゅにゅくにりゅちゅっ

 

「あけて」

 そうつげるかのように、はつねが歯の扉を舌でノックして、唇をしゃぶる。キリオは「いわれる」まま、閉じていた歯を開く。と、すぐさま、はつねが内部へともぐりこんできた。

 口腔をまさぐる異物に、キリオはおそるおそる舌を伸ばしてみる。と、それを捕まえるように、ぬるっとした感触が彼の舌に重なった。

 

 くぬにゅ……ぬくっ、ぅにゅちゅぴっ

 

 絡みあう舌と舌。はっきりとわかる。自分のとは違う味。はつねの味だ。強く、唇が押しつけられる。そのまま体重があずけられ、キリオははつねに押し倒されるような格好でベッドへと沈んだ。

「ンっ、ぅンっ、ンっ……くぅ」

 はつねがキリオの舌をつかまえ、強く吸う。身体全体に感じる、少女のやわらかさと温もり。股間に鈍いものを感じ、自分の身体が性的な興奮を示していることを理解する。

 

 ちゅくちゅぴっ、ちゅくっ……ちゅくちゅくっ

 

 まるで「競う」かのように、はつねがやすみなく舌と唇をつかいつづける。キスがこれほど激しくて気持ちいいものだとは、キリオは想像もしていなかった。キリオも負けじと、はつねの舌をうばい、甘い果実を夢中になってむさぼった。

「ンっ、ンくっ、ちゅくぴちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ンちゅぴゅっ」

 やわらなか唇の感触と味。キスによって混ざりあった唾液が、下になっているキリオへと流れこむ。

 と、

 

 びくンっ……!

 

 なにかが、膨張したペニスにふれた。そのなにかは、すぐにはつねの手だとわかった。いたわるかのように、やさしくなでてくれる。くすぐったいような心地よさ。

 はつねは口のなかの唾液をすべてキリオへと注ぐと、

「くるしい?」

 きく。

 なんと答えればいいのだろう。キリオが言葉をさがしている間に、彼女は身体を彼の股の間へと移動させて、勃起した男性器へと顔をむかわせる。

 そして、一度上目づかいでキリオに視線をむけ、愛らしくにこっと微笑むと、

 

 ちゅぷっ……

 

 小さなお口のなかへと、熱い先端をむかえた。

「ぅッ」

 初めての感触。そのあまりの気持ちよさに、思わず声がもれる。

 

 んちゅっ……ちゅぴっ、ちゅ〜っくちゅっ、ちゅぴちゅくちゅくぅ〜っ

 

 湿った温もりと弾力ある感触がねっとりとからみ、ペニス全体が痺れるように気持ちいい。湿った音とともに与えられる快感。それはまるで、絶頂がまつ場所へと吸い上げられるかのようだった。

「んくっ……ンっ、ん、ちゅっ、ちゅくぴちゅっ」

 口では先端を中心的に攻められ、手で根元を小刻みにしごかれる。

 

 ぴくっ、ぴくっぴくっ!

 

 自然と腰が跳ねる。ダ、ダメだ、もう……。

「でちゃう……よ」

 その声にはつねは舌の動きを活発化させ、「だったらだしちゃいなよ」と無言でつげた。

 ホントにだしちゃっていいのかな。そう思いながらも、キリオの本音は口内射精する気で満々だった。いまは、気持ちよくなることだけを考えていればいい。『お兄さんがしたいことをすればいいんだよ?』……はつねもそういっていたじゃないか。

「はつね、で、でるよ。もっ、ホントにでちゃ……ぅッ!」

 

 ビュくンッ!!! びゅっ、びゅくびゅるッ

 

 限界まで引き絞った弓。その発射のように、キリオは勢いよく欲望の汁をはつねの口腔へと噴出させた。

 身体全体に広がる快感と満足感。びゅっ、びゅるッ! 痙攣が収まるまで、少女のお口へと青臭いねばりつくような濁汁を注ぐ。

「ハッ、はぁーっ、はぁーっ」

 今夜最初の噴火をおえ、荒々しく息を吐くキリオ。はつねはゆっくりと頭を引いてペニスを自由にすると、

「どうすればいい?」

 そう尋ねるかのように、大きくお口を広げてなかに溜めたものをキリオへと示した。舌に、歯に。はつねのお口の中全体に、穢れた汁がへばりついている。

「はぁ、はぁ……の、飲んで……もらえる、かな」

 その答えに彼女は小さくうなずき、

 

 ぅンくっ……ンっ、ぅくっ

 

 咽にひっかかる濃いめのザーメンを、何度も咽を鳴らして飲みこんでいった。

「ンっ、ンくっ……ごちそうさまでした。おいしかったよ」

 そういって笑うと、

「きもちよかった?」

 はつねは少しはずかしそうな、そして探るような顔をした。

「うん、すごくよかったよ」

 本当に、気持ちよかった。キリオは顔全体で「嬉しい」を表現し、それをはつねへとむける。

「そう? うれしっ!」

 はつねも笑顔でかえし、

「キリオの、まだゲンキだね」

 湿り気をおびた、射精しても硬いままのペニスに手をそえる。

「ねっ、ちゃんとしよ?」

「ちゃんと?」

「うんっ!」

 はつねは立ち上がってスリット両手で広げると、ほのかな潤みをみせる内部をキリオへと示す。

「キリオのおちんちんチュパチュパして、えっちなきぶんになっちゃったんだよ?」

 濡れる部分。唇よりも鮮やかな赤。もちろんキリオは、実物をみるのははじめてだ。なんだか小さいんだな。ホントに大丈夫なのかな。こんなかわいいところにいれちゃってもいいのかな。一瞬にして、様々な思いがうずまいた。

 とはいえ、ココロもカラダも、はつねに埋もれたくてしかたがない状態だ。身体を起こそうとするキリオに、

「そのままでいいよ。あたしが上になるね」

 はつねはつげ、キリオの腰を跨いだ。ピクピクと震えるペニスに手をそえ、角度を調節しながら腰を落としていく。

 やわらかな肉が先端にふれ、まるで吸いつくような感触でつつまれていくキリオ。

 

 ぐっ……にちゅぅ、ちゅっ……ずにゅっ

 

 初めての、異性(同性を含んでもかまわないが)との性器の結合。それは感動というより、「あぁ、これがそうなんだな」といった、未知を既知にした納得のような感想だった。

「ンっ……ぅンっ」

 はつねが小刻みに腰を動かしながら、キリオを奥へと迎えいれていく。狭くはあるが、苦しくはない。

 

 ぐにゅっ……ずぷっ、じゅぷんっ

 

 ペニスの全てが埋まることなく、はつねの最深部へと到達した。ここが行きどまりだという感触は、キリオにもなんとなくだがわかった。

 

 ぐにゅ、ぐにぬぎゅっ

 

 はつねは腰を前後させるようにして動かし、

「ね、ねぇ……おまんこ、きもちいい?」

 きいた。

 そんなことはきかれるまでもない。キリオは正直に、

「すごくいいよ。もうでちゃいそう」

 お口にだして間もなく、そもそも挿入したばかりなのに、キリオは絶頂の予感を感じていた。お口とはまた違った快感。それはもっと直接的な、「ここ」がペニスをくわえこんで赤ちゃん汁を吸い取る器官であることをつきつけられるような、機能的な快感だった。

「いいよ、キリオのしたいようにして。どこにだしたい? このままでいい? それとも、またのんでほしい?」

 迷うことはない、このままがいい。キリオははつねの腰を強くつかむと腰を突き上げ、放出までのそう長くもない間、全力でピストン運動を繰り返した。

 

     Bパート

 

「ねえ、キリオ?」

 精液で汚れたはつねの股間をティッシュでぬぐっていると、

「なに?」

「まだ、いいの?」

「……なにが?」

「だから、その……うんちとか、だよ」

 たしかにそうだ。「ここ」では、汚物というものが重要な因子となっていたはずだ。正直、初体験に夢中ですっかり忘れていた。

 汚れたティッシュをどうするか少し迷ってからベッドの下に落とし、

「はつねは、ウンチが好きなの?」

 バカだ。デリカシーのカケラもない。いってからそう思った。

「キライじゃないよ。だってきもちいーもん。キリオだってでしょ?」

 はつねはキリオのデリカシーのなさを責めることなく、なんでもない感じで平然と答える。

『キリオだってでしょ?』

 そうきかれても、実際のところ、キリオは「それがどういうものなのか」という「事実」をしらない。幼い少女に興奮するし、それに汚物が加わればなおさらだというのは「そういう想像をしたとき」であって、「現実」にではなかった。

「初めてなんだ。その、ウンチをつかうの……」

 正直にいってみる。はつねは、バカにしたりはしないだろう。

「ふーん、そうなんだ。じゃあ、キリオのはじめて、あたしがもらっちゃうんだね?」

 やはりはつねは、いたずらっぽく笑っただけだった。とはいえ、もう「別のはじめて」はもらわれてしまっているのだが、それはいわないでおいた。

「はつねのお腹、たっぷり?」

 なにがたっぷりなのかまでは、いう必要もないだろう。

「うん、けっこうたっぷりかもだよ」

 キリオは、なんだか複雑そうな顔をする。

 それに気がついたのか、

「うれしくないの?」

 はつねはきいた。

「そ、そんなことないよ、うれしいよ。でも、苦しいでしょ? ごめんね」

「……どう、して?」

「え?」

「どうしてキリオがあやまるのっ!? へんなのっ!」

 はつねは怒りを滲ませた強い声をあげる。なぜはつねが「怒った」のか、キリオにはわからなかった。

 はつねはキリオを押し倒すと、彼の上にのったまま身体を反対方向にして、キリオの顔辺りへとお尻をつきだす。

「なめて」

 目の前にさらされた、きゅっとすぼまったアヌス。顔を近づけ、ニオイをかいでみる。排泄物を想像させるニオイはしなかった。

 おそるおそる舌を伸ばし、穴へとむかわせる。

 

 ぴくンっ!

 

 舌の先がアヌスの中心にふれたと同時に、はつねのお尻が小さく跳ねた。

 が、それ以上の動きはなく、キリオは少女のアヌスを味わうことに集中することができた。

 

 ちゅっ、くちゅちゅくっ

 

 さきほどのキスの要領で舌をつかい、アヌスを刺激する。そこは思っていたよりもやわらかく、弾力にとんだ舌触りだった。

 最初のうちは、味という味はしなかった。むしろキスのほうがはつねの味を楽しめたくらいだったが、なめ始めてから二、三分ほどが経ったころ、

(ん……?)

 キリオの口のなかでアヌスがヒクヒクとうごめき、彼は舌のうえにほんのりと苦味を感じた。

 うごめくアヌスに、舌をもぐりこませようとする。ぐりぐりと突き刺すように、はつねの内部をめざす。

 が、

「も、もういいよ……でちゃいそう」

 はつねが腰をあげてしまった。もう少し味わっていたかったが、それはまたあとでもいいだろう。

「みててね」

 いわれなくてもみる。はつねがお尻をキリオの腹部の上におき、四つん這いの体勢になる。

 

 みっ……みちぃっ

 

 アヌスが内側から盛りあがり、ゆっくりと花が開いていく。

 

 みちむちむちちぃっ

 

 キリオの唾液で湿った部分から、濃茶色の便が体内での形をそのままにうまれでてくる。それは空気にふれ香りを放ちながら、キリオの腹部へと降りてきた。

 温かく、しっかりとした質感。自分とはつねは違う生物なのではないか? そう思わされるほどに、彼女が排泄するものは芳しく、性欲を刺激するいい匂いだった。

 

 むちむちむりゅぅっ

 

 つぎつぎと溢れでて、腹部でとぐろを巻くウンチ。キリオをその様子を、息をする間もおしいほどに凝視し、脳裏にやきつける。

 

 むちゅんっ

 

 アヌスがきゅっとすぼまり、排泄がとぎれる。「おわりかな」……キリオがそう思うよりも早く、

「ま、まだ……でるよ」

 はつねがいった。はつねがいう通り、彼女のウンチ穴はその役割をはたし、

 

 みちゅっ、むちゅみちゅっ

 

 小刻みに排便をつづける。それまでのものよりも少しやわやかめのウンチが、ツンと鼻腔を刺激する。

 

 みちゅっ、みちぃ……ちゅちっ

 

 数回、便を産みだすことなくアヌスを震わせ、

「はぁーっ」

 はつねは大きく息をつくと、汚物を付着させたお尻を横にずらしように、キリオの上からどいた。

「くさくない?」

「そ、そんなことないよ。いい匂いだよ、とっても」

 その言葉にはつねは、本当に嬉しそうな顔をする。

「こーふん、した?」

「うん、すごくした。ほら、みて」

 キリオは直立しすぎて反り返っているペニスを、腰を動かしてはつねにしめす。

「ほんとだ、かわいっ!」

 ペニスの先端に数回キスしてから、はつねはキリオの腹部にのる自分のウンチにも、一度、軽いキスを送った。

「ねぇ、キリオ。あたしのうんちでなにしたい?」

「なにって……」

 キリオは温かな新鮮ウンチにゆっくりと手をのばす。ふれるかふれないかの位置で手をとめ、ちらっとはつねを盗み見てから、

 

 にゅちゃぁっ

 

 手のひらいっぱいに掴みとるような感じで、ギュっと握った。

 ぬりゅっとして温かい感触。はつねのニオイが、室内にむわっと広がった。

 汚物にまみれた手をはつねにむけ、

「食べてほしい……かな」

 要望をつげる。

 はつねは「くすっ」と笑い、

「キリオは、たべさせるのすきなひと? おちんちんのジュースものんでほしいっていったし」

「ご、ごめん。イヤだった?」

 キリオの表情がくもる。はつねは、

「ち、ちがうよっ! イヤじゃないよ」

 あわてた様子でいうと、キリオの手のひらにのる自分の排泄物に口をつけ、

「くちゅ……ンくちゅ」

 お口のなかでとろかすようにしてなめると、こくんっと飲みこんだ。

「キリオもたべる? おしっこのんだり、ウンチたべたりしてもだいじょうぶなおクスリ、のんだでしょ?」

「う、うん」

 たしかに、数種類のクスリを飲んだ。そのなかに、はつねがいう通りのクスリも含まれていたはずだ。

「あたしのは、いや?」

「え? そ、そんなことあるわけないよっ!」

「じゃあ、いっしょにたべよ?」

「う、うん……」

「はつたいけん?」

「そう、だね」

「はじめてかぁ。さいしょはね、ニガイし、うぇってなるかも」

 いってはつねは、かわいい笑顔をみせた。

 はつねはキリオの手をしゃぶるようにしてなめ、汚物をお口へといれていく。そして溶かしたウンチを、口移してキリオへと注いだ。

 はじめて口にする排泄物。それは苦味よりも、甘味が先だった。

 はつねの唇がはなれる。キリオの口のなかに、不純物が多めにふくまれた「ウンチムース」を残して。

「おいしくない?」

 心配そうな顔をするはつね。キリオは彼女を安心させるように、口のなかのものを一気に飲みこむ。咽をすべり落ち、体内に取りこまれる排泄物。愛らしい少女のものとはいえ、排泄物を食べるなんてフツウのことじゃない。そんな「フツウじゃない」ことをはつねにさせ、自分もしたのだ。そう思うとキリオは、ゾクゾクするような寒気にもにた快感でみたされた。

「ホントだ……苦い、ね」

 つぶやくように零し、キリオはひとつ深呼吸をする。

「でも、おいしかったよ。はつねのウンチ」

 おいしいというよりは、気持ちよかったというほうが正解かもしれない。キリオの言葉にはつねは「えへっ」と笑い、

「キリオのもたべてあげよっか?」

 いった。

「え? そ、そんなことしなくていいよ」

「どーして? あたし、キリオのもたべてみたいな」

 そういわれるは嬉しいが、さすがにそこまではさせられない。というか、してほしくなかった。

「ご、ごめんね。それはちょっと……あっ!」

 キリオの言葉の途中。はつねはウンチを手にとると、痛々しいほどに膨張したペニスを汚れた手で握り、

 

 にちゃ、にゅちゅ、にちゃ、ぬちゃっ

 

 強めにしごきながら、

「キリオのうんち、たべたいなぁ〜」

 甘えた声でいった。

「だ、だめだよ。そんな汚いことさせられないよ」

「じゃあ、あたしのはきたなくないの?」

「汚いわけないじゃない。すごく……あっ、ちょっとはつね、そんなにしたら、まっ、またでちゃっ……うぅッ」

 もう二、三度はつねの手が上下していたら、キリオは漏らしていただろう。そんなギリギリの加減で手をとめると、

「あたしのは、きたなくないの?」

 再度、同じことをきいた。

「ハッ、はぁはぁ……き、汚くないよ。はつねのウンチは、すごくステキだよ。いい香りだし、おいしいし。僕のとは全然違うものだよ。僕のなんかで、はつねを汚したくないよ」

 自分勝手なことをいっている。キリオは自分でもわかっていたが、彼には「自分のもので少女を汚したい」という願望は、カケラもなかった。

 その気持ちがはつねにも伝わったのか、

「しかたないなー。じゃあ、あたし、おしりでしたいな。キリオは? いや?」

 彼女は「おねだり」を変更する。

「いやじゃないよ、したいよ」

「じゃあ、いって? あたしのおしりにおちんちんいれたいって」

「はつねのお尻に、おちんちんいれて気持ちよくなりたい」

 はつねは満面の笑顔で、

「うんっ! いいよ、しよっ」

 キリオのほほにキスを送ると、うつぶせ立てひざでお尻を突きあげ、薄いお尻のお肉を両手で広げて、ウンチ粕が付着した穴を光にさらした。

 

     ☆

 

 そこだけが汚物にまみれてカタチをはっきりとさせている、胸元の成長初期段階の膨らみ。膣内で快感の限界へと導かれたペニスをすばやく引き抜き、キリオは自分が汚したはつねの胸元へと、この夜何度目だろう……もう数えるのもバカらしくなった絶頂の滴を溢れさせた。

「はぁ、はぁ……」

 はつねのほほは上気して、前髪が汗で湿ったおでこにはりついている。キリオははつねと平行になってならび、彼女おでこにキスを送った。

「ねぇ、キリオ?」

「ん? なに?」

「キリオは、あたしでよかった?」

 はつねの質問に、頭の上に「?」マークを浮かべるキリオ。

「どうして?」

「だ、だって、ここにはあたしなんかよりもかわいい子がいっぱいいて、えっちが上手な子も、それに……もっとちっちゃい子だっているんだよ? なのに、もうすぐ卒業しそうなあたしなんかで、ホントによかったの?」

「卒業?」

「あっ、えっとね……あたしね、ここにいるにはおっきくなりすぎたっていうか、ちゃんとせーちょーできましたっていうか、そういうオトシゴロなわけなの。もしかしたら、こんやがさいごかもしれない……」

 最後の部分、はつねの声は消えいりそうになっていた。

 キリオはそっとはつねの頭に手をおくと、

「じゃあはつねは、最後がボクでよかった?」

「うんっ! すっごくよかったよ。キリオはやさしーし、ちょっとカッコイイもん」

「カッコイイ? ちょっとがついてても、そんなこといわたの初めてだよ」

「そーなの? じゃあ、あたしがヘンなのかな?」

「あっ……う、うん」

「あははっ、じょーだんだよ。ううん、ホントはわかんない。あたしがヘンなのかもしれないけど、あたしはキリオのこと、ステキなひとだなって思うよ? カレシにしてあげてもいいくらいに」

 キリオは苦笑して、

「からかわないでよ。本気にしちゃうよ?」  いう。

 ふたりは数瞬見つめあい、声をあげて笑った。

 そしてその笑いが収まると、同時にふたりは壁際へとめをやった。そこにかけられた丸い時計が、「ふたりの時間」が終わりに近づいていることをしらせていた。

「もう……会えないんだよね」

 はつねが零す。

「……だろうね」

「もういっかい、しよっか?」

 キリオは首を横にふって、

「そんな時間はないよ、お姫さま」

 少女の唇に、そっと、ふれるだけのやさしいキスを送った。

「ちゃんと、なまえでよんでよ」

「そうだね……はつね、ありがとう。とっても楽しかったよ。今夜のことは、一生忘れない」

「う、うん……うんっ! キリオ。あたしもわすれないよ。ずっと、ずっとおぼえてるから」

 そしてふたりは、最後に少し長めのキスをした。

 これまで気にもならなかった時計の音を、やけに耳障りに感じながら。

 

     ☆

 

 キリオと一緒の夜をすごしてから三日目の朝。

 あたしは、ショコラのお姫さまじゃいられなくなった。

 不思議と、涙はでなかった。

 ただ、

「キリオ……ごめんね」

 そんな言葉が、自然にこぼれたのをおぼえている。

 それから五年が経過した今。

 あたしの胸は思ったよりも成長せず、身長もあまり伸びていない。

「ちょっとまって、キリオぉっ」

 ひとごみの中、はぐれそうになった友人があたしを呼ぶ。

 キリオ。それがあたしのあだ名だ。なぜそう呼ばれることになったのか、自分でもよくわからないけど、今では「そう」よばれることが自然になっている。

 あたし足をとめ、友人へと振り返る。

 その瞬間。

 あたしはみた。

 あたし以外にも、友人の声に反応したひとを。

 あたしの目と意識は、一瞬でそのひとに奪われた。すぐにわかった。あたしの胸元以上に、そのひとはかわっていなかった。

「キリ……オ?」

 お互いに手をのばせば、ふれあいそうな距離。

 あたしの声に、そのひとはかえす。

 あたしが「お姫さま」だったころに名乗っていた名前を。

 あの、少しカッコイイ、やさしげな微笑みで。



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