彼女たちのお話・T
Aパート 「るかのお話」
白い人工的な光に照らし出される、窓のない部屋。
ぴちゅっ、くちゅちゅくちゅくっ
閉じられた空間には湿った音が響き、その発生源に目をむけると、部屋の3割ほどを占めるベッドの上に、うつぶせ立てひざの体勢をになってお尻をつきあげる幼い少女と、少女のつきあげられた部分に顔をうずめ、彼女のアヌスをなめつづける青年の姿が確認できた。ふたりはともに全裸で、「男女がベッドの上で全裸になってすること」をしている最中だった。
くちゅ……ちゅぴちゅぷっ
白光の下にさらされる、薄く小さなお尻。その底に位置する蕾が、青年の唇と舌によって執拗に攻められる。
「ンっ、きゅンっ!」
蕾の中心を囲むように、刺激が繰り返し円を描く。ときおり、うごめく門をノックするように突っついたかと思えば、ちゅっ、ちゅっとついばむようなキスが送られる。
時間にして五分以上はつづけられている行為に、最初、少女が感じていたくすぐったさはすでになく、120cmを少し超えただけの幼い身体には、快感の波が絶え間なくうちよせていた。
ひくっ、ひくひく……っ! 与えられる刺激にお尻の穴が勝手に震え、100時間以上ぶりとなる排泄の欲求を、抗えないほどの強さで少女につげる。
(で、でちゃうぅ〜っ)
排泄の欲求が支配する頭の片隅で、少女はちらりと思った。少女の腸内に留まる大便。臭くて汚いそれの味を、青年はすでに感じているのではないか。でちゃうと思っているのは自分だけで、もうでてしまっているのではないか……と。
快感によってマヒした下半身(とくに排泄口)の様子を、彼女は曖昧に感じることしかできない。だが、少女を苦しめる排泄への欲求は確かなもので、
「レっ、レイくぅんっ! でっ、でちゃうっ! うんちでちゃうよぉ〜っ!!!」
少女……るかは、思わず声をあげてしまった。
るかの必死な声に、レイくんと呼ばれた青年は行為をやめ、上半身を持ち上げるようにして顔をあげる。
と、それを待ち望んでいたかのように、うごめく部分が内側から一気に盛りあがり、
みちむちゅぅっ! むちっ、ムチぶびぶびちゅッ
内面の紅色を露出させるとともに、少女の果実が飛びでるようにして溢れた。
「きゃう……ッ!」
ぶりゅっ、びぶっ、ぶびびぶぅ〜っ!!
止まらない排便の摩擦が、るかのアヌスを熱くさせる。そして熱くなった部分が、意識的にとは思えない複雑な動きをみせながら、腸内での形を保ったままの滑った排泄物を、大量に光の下へと送りだしていく。
ぶびゅっ、ブビぶりビびゅッ
シーツの上に降りつもる汚物。ツンっと刺激をともなって鼻腔に侵入する臭いには、多少の「すっぱさ」が含まれていた。
(で、でてるっ、いっぱい、いっぱいでてるぅ〜っ!)
ウンチをしている汚い姿。でも、とってもHで、カワイイ姿をみてほしい。レイくんのためにガンバって育てた果実が美味しそうに熟しているか、ちゃんとみてほしい。
「み、みてぇ、レイくんっ! るかのうんちみてぇ〜っ」
みちゅむちゅと溢れる大便。少女の体内で熟成されたそれは、シーツの上で山を作りつづけながら、芳醇な香りを青年の鼻腔へと運ぶ。
むちゅっ、むりむりゅっ、くちゃにゅっ、むちゅっ、むちゅっ……噴出の勢いは徐々に弱まり、零れる便も柔らかなものへと変化してきた。
ぴちゃっ……ぴちゅにちゃっ
途切れとぎれに送りだされる半液体のウンチが、糞山の頂上に降り注いでいく。やがて、ほぼ排泄をおえたお尻は谷間に汚物を付着させたままに揺れ、その愛らしさに目を奪われていた青年にむけて、
ぷぴっ、ぷっ……ぷすぅ〜、ぶびぃッ!
大きなおならとともに、糞飛沫が吹き飛ばされる。それを合図とするかのように、できたての糞山へむけて、
びちゃビチゃびしゃぁ〜っ!
少量のウンチを付着させたるかの股間から、一直線におしっこが降り注いでいった。
☆
るかは〈統一政府〉が運営する、ろりぃ〜たスカトロ専門店「ショコラ」の「お姫さま」のひとりだ。彼女は特別な事情がないかぎり、週に一回か二回、このお店で働いている。
ろりぃ〜たと冠されているくらいだから、「ショコラ」の「お姫さま」である彼女もそれ相応の年齢である。どのくらいかというと、120cmそこそこの身長が同年代の子とくらべても未発達ではないというくらいの……である。
るかの今夜の「お客さま」は、「レイくん」という二十代前半の青年だった。レイくんはるかのはじめてのお客さまだったひとで、同時に「はじめてのひと」でもあった。
はじめてのお仕事。それなりの講習は受けていたし、なにをするのかもわかっていたが、それでも緊張しないではいられなかったるかを、レイくんは長い時間、ただ、やさしく抱きしめてくれた。
そして本当にやさしく、「はじめて」をしてくれた。
るかの小さな身体には、レイくんのそれは大きな存在だったが、彼女の記憶に残ったのは痛みではなく、「やさしさ」だった。
それから約一ヶ月後、次にレイくんがるかを指名してくれたときには、Hで汚くて気持ちいいことをたくさんされてしまったが、本来ならそれがるかのお仕事なのだから、なんの問題もなかった。むしろ、楽しくてうれしいくらいだった。
デビューから約半年が経過した現在。るかもいろいろな経験をして、お仕事にもなれてきた。ときには泣きそうになることもあるが、大きな失敗をしたこともなく、それなりに上手くこなしているといっていいだろう。
「ごめんね、レイくん。おしっこもでちゃった……」
排泄物の山を挟んで、レイくんと向かいあう。本当なら、おしっこは飲んでもらうつもりだった。前のときも、その前のときも、彼はるかのおっしこを、とてもよろこんで飲んでくれたのだから。
しょんぼりとした顔でつげるるかに、レイくんは、
「構わないよ」
ほっぺた、そして唇に、やさしいキスをくれた。るかは「えへへ」と照れたように微笑むと、自分からも彼の唇にちゅっと触れるだけのキスを返した。
(きゃうんっ! やっぱり、レイくんってやさしーっ)
気持ちを浮上させたるかは、まだ温かな自分のウンチに手を伸ばすと、それを指ですくいとり、
にちゃっ
滑った温もりをお口の中へと迎えた。ぬるりとしたそれが与える苦味が、お口の中いっぱいに広がる。
「おいしい? るかちゃん」
苦く臭いだけでおいしいとは思わなかったが、るかはコクンとうなずいて、レイくんに笑顔をむけた。そうすると、レイくんもるかに微笑んでくれることを、彼女は経験上しっていたからだ。
思ったとおり、微笑みをくれるレイくん。るかはうれしくなって、彼の首筋に抱きつくように身体をよせてキスをすると、お口の中でとろけたモノを繋がった口腔へと注いだ。
(きゃっ、はずかしいなぁ〜)
自分のウンチを食べてもらうことが、うれしくて、恥ずかしい。こんな気持ちは、レイくんにしか感じない。「お仕事」のときに自分の排泄物を「お客さま」に食べてもらうことは珍しくない。少なくともるかにとって、「そんなこと」は普通になっている。
だけれど、こうしてレイくんと唇を重ね、お口の中でウンチのキャッチボールをしていると、他のお客さまとのプレイでは感じることのない「ほんわかした気持ち」になる。おもわず笑みを零してしまいそうな、そんな気持ち。姉妹のような関係でもある、ペットの「もずく(小型犬)」を抱っこしたときの感じに似ているが、それよりももっとドキドキしてキュンとする。その「ほんわかした気持ち」を、るかはとても大切なものに感じていた。
「ぷぁ……っ」
いつの間にか、口腔を行き来させていたものがなくなっていた。自分が飲みこんだ覚えはないから、レイくんが飲んでくれたのだろう。
と、
(ぅぷっ……)
突然、胃の内容物がせりあがってくるような感覚に襲われた。
その感覚は一瞬のことで、すぐになんともなくなったが、るかは一時間ほど前にクリームがたっぷりなケーキを3つも食べている、ムネやけしても不思議はないだろう。
とはいえ、嘔吐物だってプレイを盛り上げる重要なアイテムなのだから、かわいらしい食べ物を胃の中に収めておきたいと思うのは、おんなの子らしい心理ではある。消化されたケーキがかわいいかどうかは、個人的な感覚によるところもあるだろうが。
小さく深呼吸して、ふと視線を下に落とするか。と、膨張したレイくんのおちんちんが視界に飛びこんできた。
(やっぱり、おっきいな……)
るかはこの半年でたくさんの「おちんちん」を目にしてきたが、その中でもレイくんのモノは、トップクラスの大きさだった。そのことに、るかがなにかしらの貢献をしたわけでもなかったが、彼女はレイくんの「おちんちん」を目にするたびに、どこか誇らしいような気分になるのだった。
「おっきくなってる」
るかはレイくんのペニスを軽くなでてから、再度ウンチ山へと手を落とした。しかし今度は指ですくうだけでなく、しっかりと掴みとる。
手の中でつぶれ、ぬりゅっとした感触を残す汚物。るかはそれを、レイくんのおちんちんに塗っていった。塗っているだけで、レイくんは気持ちよさそうに息をはき、るかも「エッチなきもち」が大きくなっていくのを感じた。
「きもちいー?」
「う、うん……るかちゃんのうんち、すっごく気持ちいいよ」
汚物にまみれた少女の手が、指が、青年のペニス全体を這う。
「ぁ……っ」
まるで女性のような吐息を零し、レイくんは仰向けに身体を倒した。るかはマッサージするような手つきでペニスへの塗糞をつづけ、ほどなくして彼の直立する部分は、先端から根元まで排泄物でコーティングされた。
「えへっ。レイくんのおちんちん、おいしそー」
自分のウンチで汚れたレイくんのおちんちんは、とってもHで、かわいくて、ステキだった。
「いただきまぁ〜すっ」
ちゅっ、ちゅぱちゅっ……くちゅっ、にゅるねろねろっ
るかの舌と唇がペニスを這いまわるたび、レイくんは小刻みに震え、小さな喘ぎを漏らす。
「くすっ……レイくん、かっわい〜」
るかがめいっぱいにレイくんをくわえ、袋部分をやさしく揉むと、彼の腰は自然と上下し、先端がお口の中を掻きまぜた。
(これ、きもちいーのかな?)
るかはさらに強く吸いつき、舌を回す。きゅっ、きゅっと、力加減に気をつけながら袋を揉んだ。
「ぁっ、る、るかちゃんっ! も、もういいよっ」
レイくんの声に、おしゃぶりしていたものを自由にする。
「えっ? よく……なかった?」
レイくんは即座に首を横にふって、
「最初は、ちゃんとしたところがいいかな……って」
照れたような顔でいった。
ちゃんとしたところ。その意味は、るかにもわかった。おんなの子がもっている、オトコのヒトを迎えいれるための場所。当然、るかにもその場所はある。いまだ未成熟で「イノチ」を育むことはできないが、彼を迎えることはできる。
「うんっ!」
るかは急いで、そそり勃ったものに塗糞をし直す。彼がるかの中に埋もれるとき、それがどの穴であってもペニスに塗糞しているのを望んでいることは、彼女も十分に理解していた。
レイくんがなにをよろこんでくれるか。どういうのが好きか。まだまだしらないこともたくさんあるだろうけど、しったことはゼッタイに忘れない。るかは、そうココロに誓っていた。
るかにとってレイくんは、他の「お客さま」とは全然違う存在だ。レイくんといるとドキドキして、なんだか恥ずかしくなるし、だけどとってもうれしい。ずっと一緒にいれればいいと思うし、いつも一緒にいてほしいとも思う。「お姫さまの日」だけでなく、普段の生活の中でも、るかがレイくんのことを想わない日はなかった。
レイくんとこうして「逢う」のはまだ五回目だけれども、ふたりで過ごした時間のすべてが、るかの人生(まだ、さほど長くはないが)の中でも、特別キラキラして輝いている記憶たちだった。
しっかりとコーティングし直されたペニス。るかはそれをまたぐようにすると、左手でスリットを開いて内部を露にし、右手で汚物に濡れものを迎え入れる場所で固定させ、ゆっくりと腰を落としていった。
今夜はじめて、性器同士が触れあう。
「すぐ、でちゃうかも」
レイくんの言葉に、
「いいよ、うれしっ。いっぱいだしてね」
るかは笑顔で返す。
「がまんしないでね。るかは、レイくんがきもちよくなってくれるのが、いちばんうれしーんだよ?」
レイくんはやさしいから、るかのことを気にしてくれる。レイくんが気持ちよくなってくれれば、それでいいのに。それが一番うれしいのに。
とはいえ、気をつかってもらえたことは、素直にうれしい。自分が気持ちよくなることしか考えてないお客さまだって、少なくない。いや、むしろ、そんなお客さまの方が多数派だ。
るかはもう一度、
「ほんとだよ? レイくんがきもちいーのが、るかはいちばんうれしーの」
告げると、ペニスの先端を汚す汚物を自らの性器に擦りつけるようにして腰を動かした。
ぬちゅっ、ちぃ……
小さく幼い秘密の肉穴は、少女の想いに呼応するかのように潤みを帯びて、汚物にまみれた男性器を内部へと導いていく。
ぬくっ……くにぃ、くっ……くンっ
(ぁんっ……レイくんのぉ〜)
まだ、先端すら迎えきってないのに、るかの小さな身体はレイくんへの想いでいっぱいになって、うれしいと気持ちいいで満たされしまった。これでは、彼女の方が先に達してしまいそうだ。
「ぁっ、ぅンっ、ンっ……」
るか自身の潤みに加え、ペニスを纏う便の滑りがあるとしても、レイくんのものを迎えるのはキツイ。
「ぅン、ンっ、ンくっ」
腰を前後に動かし、少しでも迎えやすい角度を探る。
(ぁっ……ここ、かな……?)
思いきって腰を落としてみる。
めりぃ……ッ
部分に軋みを覚えながらも、最初の一番大きな部分を迎えることができた。
「はぁ、はぁ……レイ、くん」
苦しい。動けない。と、るかが喘ぐように大きく息を吸ったとき レイくんが両手で彼女のお尻を強く掴んだ。
そして、
ずぶン……っ!
彼の腰が大きく跳ね上げられた。
「ひぎゅぅッ!!!」
一突で子宮を押し上げられるまで進まれる。思いもしなかったレイくんの動きに、るかの身体は腸内に残留していたウンチを噴出させるという行為でこたえた。
激しく腰を振るレイくん。その動きに身体を揺らしながら、絞るように軟便を垂れ流するか。
狭い膣内の入り口から最深部まで、ペニスが何度も往復を繰り返す。激しい動き、そして快感。るかの意識はほんの数秒で白く染められ、
びくンっ! びくびくッ
彼女は達しながら、一時間ほど前までは主にケーキだった胃の内容物を、
ぐっ……げぽびゅッ! ぅぶゅッ、ぅげぇーッ げぇびゅッ
惜しげもなくまき散らした。
顔や胸元に降り注ぐ嘔吐物を気にするようすもなく、腰を振りつづけるレイくん。るかはむせながら身体を前のめりに折り、彼の胸元にへばりつく嘔吐物の温もりに顔を埋めると、
げぴゅっ! にちゃぬちょっ
その温もりをさらに増やしていく。
「ハァーっ、ぅンびゅっ、ハァー、ハァーっ」
中心を突きあげる動きに強く揺られながら、口からは熱い息と嘔吐物を、そしてお尻からは、
ブッ、ぶりぃッ! ぶぅ、びブぅ〜ッ
おならを、同時に吐きだするか。
気持ちよさと気持ち悪さが混ざりあう、なんともいいようのない感覚が、彼女の意識を濁った状態に繋ぎとめる。
レイくんは最深部まで埋もれたまま、るかの身体を持ちあげるほどに数回突きあげると、繋がった状態で身体を起こし、彼女をひっくり返すようにしてベッドに寝かせて、今度は自分が上になった。
そして、10秒にも満たないピストン運動の後、
びゅっくン!!!
彼は大量の温もりを、るかの中へと溢れさせた。
びゅくっ、びゅクびゅるッ
膣内で痙攣するペニス。注がれる温もり。小さな子宮に収まりきらないほどのそれを、るかもはっきりと感じることができた。
射精の勢いが収まるにあわせ、腰の動きもとまっていく。
荒々しい息を吐きながら、るかに視線を落とすレイくん。その瞳は、さやしくるかを捕らえていた。
「レイ……くん」
るかはやわらかな笑みを浮かべると、彼の顔へと腕を伸ばしてそっと頬に触れる。
ちゃんとした場所でのHはすんだから、今度はレイくんが一番好きなお尻で気持ちよくなってもらおう。
レイくんの頬の感触を、五本の指で確かめる。
(キス、したいな……)
その思いが通じたのか、彼の顔がるかの目を覗きこむようにして近づいてきた。
期待しながら、まぶたを閉じる。
期待通りのものが、唇へと送られる。
ほんの一滴、零れる涙。
その涙に意味をもたせることもなく、るかは注がれた唾液を飲みこんだ。
Bパート 「まゆらのお話」
落ち着いた雰囲気の室内。少しお高めなホテルの一室にも思えるが、この部屋は〈統一政府〉が運営している風俗施設、「ろりぃ〜たスカトロ専門店ショコラ」のプレイルームのひとつだ。
室内には、楕円形の大きなベッドの縁に腰かける少女がひとり。
身長は130cm台半ば。下ろせば腰にまで届くだろう長めの髪を、頭の高い位置で左右に結ぶ……いわゆるツインテールにして、その縛り目を純白の帯リボンで飾っている。
少女の幼い身体を飾るのは、そのリボンだけ。白いスベスベの肌も、淡いふくらみの先端に咲く薄紅色の色彩も隠すことなく、少女……まゆらは、ショコラのお姫さまとしての「お仕事」の始まりを、ただ静かにまっていた。
静寂が破られたのは、それから200秒ほどが経過した後。まゆらの正面に位置するドアが、なんの予告もなしに開かれる。
彼女はツインテールを跳ねさせてパッと立ち上がると、
「おかえりなさいっ! おに〜ちゃんっ」
ドアの向こうから現れた、年齢は三十代半ばだろう、全体的にたるんだ体型を完全に露出させているオトコにトコトコとかけより、
「まゆらぁ、おにぃ〜ちゃんを、ずぅ〜っとっ! まってたんだよぉ〜?」
上目づかいの甘えた視線と声でつげ、ぴょんっとジャンプして男の首筋に抱きついた。
まゆらに引き寄せられるようにして、腰を折るオトコ。彼女は近づいてきた……というよりは、自ら近づけたオトコの芋虫が二匹ならんだような唇に自分の唇を重ね、
ぬにゅるンっ
舌を伸ばして、激しいキスを求めた。
積極的にオトコの口腔を探るまゆら。オトコの腕が、まゆらの腰にまわされる。彼女は自分からオトコに寄り添い身体を密着させると、しばらくの間、キスの音だけを室内に響かせた。
唇の重なりをといたのは、オトコからだった。離れていく彼の頭を追うように、まゆらは背伸びをしてオトコの唇へと自分の唇をむかわせると、キスの余韻を求めるように、チュっと唇同士を触れさせた。
オトコはまゆらの腰をつかんだまま、彼女と一緒にベッドへとむかう。二人がそこに腰をおろすと、開いたままになっていたドアを潜り、お皿を手にしたまゆらよりも二、三歳は下だろう、メイド服姿の少女がはいってきた。
少女はベッドに手にしていたものを置くと、オトコに頭をさげ、無言のまま部屋をあとにする。
「えへへ、なにかな〜?」
運ばれたものに視線をむけるまゆら。お皿の上に並んでいたのは、脚をもいだゴキブリを乳白色の芋虫でサンドして、ヘッドにかわいらしい動物の頭をあしらったピンで刺した「お菓子」だった。ムリに表現するなら、小さなハンバーガーのような……といえばいいだろうか。
「きゃはっ、おいしそー。おにーちゃん、たべてい〜い?」
オトコが頷くのと同時に、まゆらはくまさんのピンをつまむと、ぱくんっと一口でお菓子をお口へと放りこんだ。
ピンを引き抜き、それだけをお皿へともどす。
二匹の芋虫と一匹のゴキブリ、三匹の蟲がまゆらの口腔を満たす。彼女は一匹の芋虫を奥歯で挟むと、
ぐぢゅ……っ
なんの躊躇もなく噛み潰した。
潰された芋虫の体液がお口いっぱいに広がり、まゆらはそれを舌をつかってゴキブリに纏わせると、残りの芋虫とともにイヤな音をたてながら咀嚼し、完全に粉砕してから一息で飲みこんだ。
多少咽にひっかかりながら、体内へと取りこまれていくお菓子。生臭いニオイがまゆらの嗅覚に挨拶をして、鼻腔を通り抜けていく。
(うん。おいしい……)
胸の真ん中、そして下腹部の奥がきゅんとする。とくに下腹部の奥からは、身体中へと気持ちいい潤みが広がっていくのを、はっきりと自覚することができた。
「まゆらちゃん、おいしい?」
「うん。とってもおいしーよっ」
まゆらにとって、蟲は「お菓子」と同じだ。食べなれたゴキブリなどは、味の違いだってわかる。「お姫さま仲間」には蟲がキライな子たちもいるが、その感覚はまゆらにはよく理解できなかった。キライな子もいるんだな……と、深く考えることなく納得したふりをしている。ようするに、「ひとそれぞれ」ってことだ。
まゆらはにっこりと微笑んで、
「ありがとっ、おにーちゃん」
オトコの首筋に抱きついた。
☆
メイド服姿の少女によって、次々と運ばれてくる「料理」や「お菓子」。それらの材料は、一見して、ゴキブリをはじめ、芋虫、蛆虫といった蟲たちが主になっていた。
脚をもがれたゴキブリ(食べやすさを考慮してだろう)数百匹で満たされた、透明なケース。青虫がびっしりと蠢いているサラダ。たっぷりの蛆虫が浮いたスープ。異臭を放つ、得体のしれないジャム。ゴキブリやカエルの卵。なんだか判別のつかない、大きめの昆虫のから揚げなど。なかには普通の料理のようにも思えるものもあったが、臭いがそれを否定していた。
みちゅっ、くちゅにちゃっ
ジューシーな芋虫とプチプチした食感の蛆虫をお口いっぱいに放りこみ、口角から滴る汁もそのままに顎を動かすまゆら。飲みこもうとして咽にひっかかったそれを、十種類をこえる蟲をミキサーにかけたミックスジュースで流しこんでいく。
長かった飢えをみたすかのように、まゆらは蟲料理を食べつづける。ぱきぱきと音を立てながらザザムシを噛み砕き、潰されて内蔵を露出させたオタマジャクシとカエルの卵で満たされたグラスを傾ける。
食事姿を「披露」するまゆらの前にたち、オトコが勃起してもさほど大きくもないペニスをしごき始めた。
「ハァ、ハァ、ハァ」
荒々しく響くオトコの息に、お口の動きを止めて彼を見上げるまゆら。閉じた唇からのぞく、ゴキブリの上半身。懸命に触覚を動かして、外気よりも温もりのある少女のお口の中から逃れようとしている。
まゆらはオトコにニコっと微笑むと、
くちぃ……ぱきっ
前歯でゴキブリを噛み潰した。
一層はげしく、触覚を蠢かす蟲。が、その姿はすぐに、かわいらしい唇の奥へと隠されてしまった。
ふみゅふみゅと揺れる唇。しかし閉じられたその奥では、おぞましい蟲が噛み潰され、まゆらのお口全体に食感と味を残しつつ、イノチの終わりを迎えていた。
唇の隙間からでていた触覚の先端をつまみ、ひっぱりだす。その根元には、潰れたゴキブリの頭部だっただろうカケラが未練たらしく付着していたが、まゆらは一度外にだしたそれを再度お口の中へともどし、ぷちゅっ……触覚だけを引きちぎって捨てると、カケラを噛まずに飲みこんだ。
そしてすぐさま、彼女の手は新たな蟲料理へとむかう。まるまると太ったカブトムシの幼虫三匹を、お口いっぱい頬張るまゆら。
くじゅちゅっ
ぬらめく唇の隙間から噛み潰された幼虫の体液があふれ、まゆらの薄い胸元へと垂れる。彼女は垂れたものを指ですくい、その指を口元へと運ぶと、ぴゅぷっと吸いついてしゃぶった。
止まらない食事によって、空にされていく皿。その皿をメイド服の少女がさげ、代わりの料理を運んでくる。まゆらのお口の中は、小さなゴキブリ、コオロギ、ハエ、蛆、ナメクジ、蜂の子、芋虫、蝶のサナギといった、様々な生きたままの蟲や調理がなされた死骸でいっぱいになっていった。
くちゅぱきゅっ、ぐちゅにちゅにちゃっ……
まゆらの食事が進むにつれ、荒々しさを増すオトコの息。
と、
「まゆらちゃんッ」
声と同時に、まゆらの顔面に熱いものが降り注いだ。突然のことに、驚いたように目を丸くするまゆら。きょとんっとしたその顔に、オトコが激しくしごくペニスから、ビュクビュクと精液が浴びせられる。
やがてそれがやむと、まゆらは顔面にへばりつく精液を指にすくい、
ちゅぴっ……
さきほどのカブトムシの幼虫のときと同じように、粘りつくそれをお口へと運んだ。
何度かそれを繰り返して顔に付着したものが少なくなると、お口の中に溜まった粉砕された蟲と精液が混ざりあう様子を、オトコにみせつけた。
まゆらの口腔を満たすそれは、なんと表現すればいいのだろう。潰され、砕かれ、原型を留めていない蟲の死骸……とでもいえば、間違いではないだろう。
しかし「それ」は、簡単にそういってしまえるようなものではなかった。もっとおぞましく、汚らわしく、穢れた存在感を放つ、まさに「鬼畜の果実」だった。
まるでやわらかな光で包まれているような、かわいらしい少女。だがその少女の口腔を満たすのは、穢れた「鬼畜の果実」。
オトコの手がまゆらの頭をなでる。
こっ……くンっ
彼女は口腔のものを咽の奥へと送り、
「おにーちゃんの、おっきぃーままだね」
はわせるようにして、目の前のペニスに指を絡ませた。
「おクスリを飲んだからね、今夜はずっとこのままだよ」
「じゃあ〜今夜ずっと、まゆらときゅんきゅんしてくれるの?」
きゅんきゅんというのがなにを形容しているのかわかりにくくはあるが、わからなくもないのでかまわないだろう。
まゆらはペニスに頬ずりをして、先端から溢れた汁を軽いキスで吸った。
「ねえ、まゆらちゃん。もっとたくさん食べて。まゆらちゃんが食べてる姿、もっとみせて」
オトコの要望に、まゆらは応えた。それが彼女の「お仕事」だったし、拒否する権利を彼女はもっていなかった。といっても、拒否する理由もなかったが。
レタスを食べている青虫たちを、レタスごとお口へと運ぶ。ハエとそのコドモを練りこんだミミズの肉団子。トッピングはもちろん、生地やクリームにまでゴキブリをつかったケーキ……その他、バリエーション豊富な「蟲料理」たちを、まゆらはオトコにみせつけながら食べ続けた。
その間、オトコはペニスを弄りながらまゆらの食事をみていた。一度、蟲の素茹でが盛られた皿に、ソースをかけるようにして射精しただけで、彼女の身体に触れようとはしなかった。
宴が始まってから、軽く30分以上は経過しただろう。新しく運ばれてくる蟲料理はなく、料理を運んでいた少女は壁際にひかえている。
「えへっ、ちょっと……たべすぎちゃったかなぁ?」
まゆらの曲線的ではあるがいまだくびれの少ない身体、そのお腹がぷっくりと膨らんで、幼い妊婦を連想させた。
オトコは膨らんだまゆらの腹部をなで、
「もう、いっぱい? 食べられない?」
「う、うん……くるしーけど、おにーちゃんがたべろっていうなら、まゆら……まだ、ガンバれるよ?」
オトコは少しの間視線を空にむけたあと、
「いや、もういいよ。こんなに膨らんで、まゆらちゃん、赤ちゃんできちゃったみたいだね」
そういって、まゆらのお腹に顔をよせた。
「だったら、おとーさんはムシさんかな? それとも、おにーちゃん?」
オトコはまゆらに答えることなく、彼女の腹部にしゃぶりつくようなキスを繰り返す。
「ねぇ……おにーちゃん」
「なに?」
「えっとね、まゆらぁ……きもちいーってなりたいなぁ〜。おにーちゃんに、まゆらを、きゃうンって、してほし〜なぁ〜」
まゆらはオトコの手を取ると、それを自分の股間へと誘った。
「わかる? おにーちゃんがほしくて、まゆら、もーこんなにぬるぬるなんだよ?」
オトコの指にからむ、まゆらのお汁。それに導かれるように、オトコの指がまゆらの内部へと潜りこんでいく。
「……ぅンっ!」
震える身体。高く鳴る音色。
「じゃあ……しよっか」
「う、うん……して、おにーちゃんのがほしーの」
ベッドの仰向けになり、股を広げるまゆら。オトコは数秒、指でまゆらの膣内を掻きまぜて引き抜くと、壁際に控えていた少女を手招きでよび、濡れた指を少女にしゃぶらせてから、耳もとになにやらつげた。
「かしこまりました」
幼い外見にあわない言葉づかいで了解をつげると、部屋をでていく少女。
「少しまっててね」
まゆらのお腹をなで、オトコがつげる。まゆらは頷き、
「おにーちゃんのしたいよーにしてください。おにーちゃんがいちばんたのしーやりかたで、まゆらをかわいがって?」
オトコが崩れた饅頭のような笑みをまゆらにむけ、まゆらははにかんだ笑顔をオトコに返した。
「まゆらちゃんのお腹の中、蟲でいっぱいなんだね」
「そーだよ。おにーちゃんのいうとーり、まゆらたくさんたべたもん」
「うん、そうだね」
と、
「おまたせいたしました」
プレートを手に、少女がもどってきた。手にしたものをベッドに置き、そこに乗せられていたもののひとつを手にする少女。
それは厚手のコンドームのようでもあるが、半球形のイボがたくさんついたペニスカバーといったほうが的確な表現になるだろう。そして、そのペニスカバーの先端は弁になっていて、外側からの進入を防ぐが、内側からの放出はジャマしない構造になっている。
少女は十秒ほどオトコのペニスをしゃぶって唾液をまぶすと、そこにペニスカバーを装着させた。そうするとオトコの小ぶりなペニスが、人並みくらいには成長した。
少女は再度、ペニスカバーの上からオトコをしゃぶる。
「いかが、でしょうか」
少女の問いに、オトコは頷きだけで答えた。
このペニスカバーは、外部からの感触をダイレクトにペニスへと伝える素材でできていて、少女はペニスカバーの装着前と装着後でおしゃぶりの感触や快感が異ならないかを、オトコにたずねたのだ。
オトコの頷きに少女は、
「はい。では、なにかございましたら、おもうしつけくださいませ」
と頭をさげ、次に漏斗のようなもの(漏斗なのかもしれないが)を手に取ると、直径3cmhほど、長さ5cmそのほどはあるだろうその先端を、まゆらの股間へと埋めていった。
それは、手馴れた仕事であるかのように速やかに行われ、次いで、
「こちらで、よろしかったでしょうか」
少女はトレーに残っていた、糸ミミズや蛆虫、オタマジャクシやカエルの卵などが満たされたグラスを手にして、オトコに確認をとる。
「あぁ」
返事をまって、それをオトコへと渡す少女。
「これ、すきだったよね。この前のとき、すごくよろこんでくれたよね」
オトコの言葉に、
「うんっ! だいすきっ。おにーちゃん、おぼえててくれたんだぁ。うれしーなっ!」
まゆらは大きく頷いて、
「いれて、おにーちゃん。まゆら、もーがまんできないよぉっ!」
漏斗が刺さった股間を、オトコへと指し示した。
「まゆらちゃんは、ホントにエッチな子だね」
蟲で満たされたグラスが傾けられ、
ドロっ……でちょみちょっ
中身が漏斗へと注がれていく。そして漏斗をすべり、まゆらの膣内へと。
「きゃぅっ!」
まゆらの細い腰が跳ねる。
「どうかした?」
「な、なんでもないよ。ちょっとね、つめたかったの」
オトコはグラスの中身をほぼ漏斗へと注ぐとグラスを投げ捨て、漏斗に溜まったものをまゆらの内部に送るようにして、両手で揺らしながら引き抜いていった。
くっ……ちゅっ
漏斗が完全に外されると、ムリやり広げられていた膣口が閉じて、つるんとしたスリットが姿を現す。と、閉じたワレメの奥から、数匹の糸ミミズが這いだしベッドへと落ちた。オトコはその糸ミミズを摘みあげると、まゆらのお口へと運ぶ。
まゆらは与えられたそれをしっかりと咀嚼してから飲みこみ、
「おにぃ〜ちゃんっ」
オトコへと両腕を伸ばし、かわいらしく微笑んだ。
まゆらが感じている膣内の存在は、確かなものだ。オトコのものが入る隙間はないようにすら思える。
が、オトコはまゆらの開かれた股に下半身を潜らせ、内容物が溢れそうになっているヴァギナの入り口へと、ペニスカバーによって補強されたものの先端をあてがい、
「……ぅンぐっ!」
遠慮のない強さで突き刺した。
「ぁっ、うぅっ! お、おに……ちゃっ」
みちゅっ、むくじゅくっ、じゅぶっ、にちゃぬちゃぐじゅッ
まゆらに覆いかぶさるようにして、腰を振るオトコ。
「ハァ、ハァっ、まゆらちゃんの蟲マンコ、すごくっ、いっ、いいよッ」
「ぁンっ、ま、まゆらもぉ、ぁっ、ぁン……っ!」
出口のない膣内で掻き混ぜられ、潰れされた蟲の体液が潤滑油となり、オトコの動きが激しくてスムーズなものになっていく。
「お、にぃ……っ、でちゃっ、まゆらぁっ、けぷっ、でっ、でちゃうよぉ〜っ!」
でちゃう。まさに、言葉通りの状態だった。
めいっぱいに膨らんだまゆらの胃は、オトコの行為による振動で振り回され、取りこんだものを排出することによって、自身のバランスを図ろうと試みていた。
その試みは下方向よりは上方向に重点をおいたものであるらしく、
「ンぷっ! ン……ッ」
まゆらの咽が痙攣したかのようにみえた瞬間。
ぅンびゅぶびゅぼっ!!!
彼女は、異様な臭気と汚物を吐きだす噴水となっていた。
「ンびゅるびゅくッ!! ぉ……にぃちゃ、びゅぶぷゅっ!」
オトコが激しく突き刺す。そのたびにまゆらは、ポンプのように汚物を吹きあげる。
「ゲヒっ、げひひっ」
オトコから腐ったような声が漏れ、大量の蟲の死骸で隠されたまゆらの唇があるだろう部分からも、カエルが踏み潰されたときに発するような音が繰り返し聞こえてくる。
ンぎゅっ、ぅゲっ……げびゅっ、ぐぇっ、げぇッ
汚物が咽と鼻腔を塞ぎ、まゆらの呼吸を阻害する。急激な酸素不足に、涙に濡れた瞳から意識の光が小さくなり、暗い濁りがかかっていく。
「ぁ……ぅ」
ごびゅ……っ
湧きだすような蟲ゲロ。ドロリとした汁とともに、糸ミミズと蛆虫が鼻腔から溢れる。
「フヒヒっ、まゆら、まゆらちゃんっ」
まゆらを突き上げるオトコの腰、その動きが止まり、
ビュクッ! びゅるびゅくンッ
勢いよく発射された精液が、膣内で肉棒によってかくはんされた蟲の汁とともに、まゆらの子宮へとたっぷり注がれた。
注がれた分を吐きだすように、蟲ゲロを零すまゆら。オトコは繋がりをとくことなく、腰の動きを再始動させる。
室内に充満する穢れた空気。オトコが『フヒフヒ』と不気味な声を発しながら、まゆらの顔全体に蟲ゲロを乗せていく。すぐに、数百匹にもなるだろう蟲の死骸が、まゆらの顔面をヌッチョリと覆いつくした。
「か、かわいいよ。フヒ、フヒヒっ……まゆらちゃん、ふひひひひひひっ」
壁際でふたりのプレイを眺めていた少女が、すっと、物音もたてずに部屋をでていく。
今夜の「まゆら姫」のプレイは、まだ始まったばかりだ。そろそろ、次の段階への準備を進めなければならない。
「……きもちわるい」
さげすむように吐きすてた少女の言葉は、小さすぎて少女以外には届かなかった。
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