第二章 ルル

 

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 気がついたとき最初に感じたのは、違和感だった。

 そして、頭に割れそうなほどの痛み。

 しかしその痛みは一瞬のことで、すぐに治まった。

「気がついた?」

 やさしそうに微笑む女性。

「お水、飲む?」

 おみず?

 お水。

 しっている。

 だけど、水が入っているだろうコップを手にしている女性はしらない。

 いや、それよりも。

「ここ、どこ?」

「パルの村よ」

「だれ?」

「わたし? わたしはサシャっていうの」

「さしゃ……?」

「そう、サシャ。それで、あなたのお名前は? どうして、行き倒れてたの? ひとり? お父さんやお母さんは?」

 わからない。

 なにも、わからなかった。

 痛い。

 頭が。

『お願いね、ルル』

 頭の中で、誰かがいった。

「……ル……ル?」

「ルル? あなた、ルルっていうの?」

 わからない。

 でも、たぶんそうだと感じ、彼女……ルルは小さくうなずいた。

『お願いね、ルル。聖女さまにつたえて……が……だって。聖女さまに。お願いね、ルル。お願いね……』

「……うん。わかったよ、ママ」

 自然と零れた言葉。

 痛い。

 頭が。

 紅い目。獣の目。

 こわい、こわい、こわい!

「ぃや……」

「どうしたの? 大丈夫? ルル」

「いや」

「ルル?」

「いやああぁあぁーッ!」

 そしてルルは、すべての〈……〉を封印した。

 

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 パステルカラーで統一された部屋。複数のぬいぐるみが、置かれているのか転がっているだけなのか判断がつかない状態になっている。

 さほど広くはない室内の中央には大きなベッドが置かれていて、その上にはアリクが裸で仰向けになって寝転んでいた。

 そしてアリクの上には、彼とは身体を反対向きにさせたルルが、お尻を彼の目の前にしてのっている。

 ここは、魔法使いのマリーナがルルにプレゼントしてくれたプレイルーム。

 現実世界と半次元ずれた異空間に存在していて、「夢と現実の中間」のようなところに造られた部屋であるらしい。

 どういう構造なのかマリーナが詳しく説明されたが、ルルにはよくわからなかった。

 ようするに、どれだけ汚しても一度部屋の外に出ると、次に部屋に入ったときにはもとの通りにきれいになっている……という、不思議な部屋だ。

 ルルはそれだけ理解していたし、彼女にはそれで十分だった。

 ソフィアもサシャもこのような不思議な部屋をもらっているが、ソフィアはアリクとの行為に利用したことがないらしい。

 なんでも、

「気分のもんだい」

 なのだそうだ。

 これもルルにはよくわからない理由だったが、どうでもいいといえばどうでもいいので、そのときには「ふーん」とだけ答えておいた。

「どう? おにいちゃん。このぱんちゅ、かわいーでしょ?」

 ルルの下腹部は下着に覆われていて、その下着には動物の顔のようなものが描かれている。

 この下着は「ぱんちゅ」といい、異世界の女性用下着なのだという。

 ルルたちが暮らす世界には「平行して存在する別の世界」……「異世界」があり、マリーナはその異世界とこの世界とを、行き来することができるのだそうだ。

 そしてマリーナは、異世界の物を「お土産」と称してルルたちに与えてくれる。ルルがいまはいているぱんちゅも、その「お土産」のひとつだ。

 ルルたちの世界にも女性用の下着はあるのだが、それはマリーナがくれる「ぱんちゅ」ほどかわいらしいものではない。

 さまざまな色や形、そして模様がある「ぱんちゅ」にくらべると、「ただの白布」といってしまってよい程度のものだった。

 ルルは「ぱんちゅ」に限らず、異世界の衣類が好きだ。デザインも豊富で、なによりこの世界のものとは着心地が違う。

「かわいいでしょ?」ときかれても、アリクには判断がつかない。とりあえず彼は、あたりさわりなく「かわいいね」とだけ返した。

 その返答にルルは「えへっ」とうれしそうに笑い、

 

 ぷぴぃ〜……ぷすっ、ぴすぷぷぅ

 

 愛らしいおならの音と、香ばしい匂いを漂わせる。

 アリクは目の前にあるルルの下着につつまれたお尻に顔を押しつけ、その香りを胸いっぱいに取りこんだ。

 ルルは人間と精霊種族のハーフだが、人間と同じように食事をとる。おならもすれば、排泄もする。

 それは人間とかわりなかった。

 むしろ代謝がよすぎるぐらいで、排泄行為の回数は多い方だろう。

 それに食べたもののほとんどが、そのまま体内で排泄物となっているのではないかと思えるほど、量も多い。

「きょうは、ウンチのエッチ?」

 ルルはアリクに確認する。アリクがウンチのエッチが好きなのは、ルルもしっている。しかし毎回ウンチをつかう……というわけでもない。

(本当はおにいちゃんは、エッチのときはウンチのエッチがしたいんだ。だけどウンチのエッチだと、ルルがきもちわるくなっちゃうかもしれないから、おにいちゃんはウンチのエッチしないときもあるんだ)

 ルルは最近になって、そのことに思い至った。

(ルルはおにいちゃんがしたいよーにしてくれるのが、いちばんうれしーのに)

 しかしアリクが自分のことを考えてくれていると思うと、それはそれでうれしかった。

「ルルさえよかったら……だけど」

 アリクの答えに、

「うんっ! いーよ。いっぱいね、でるとおもうよ?」

 ルルはうれしそうにいった。

 アリクによろこんでもらうためルルは、三日前の夜会以来、ずっとウンチを貯めておいたのだ。

 ルルにとって、三日も脱糞しないというのは「おなかくるしいよぉ〜」となることだったが、アリクがよろこんでくれると思うとルルは耐えることができた。

 もしアリクが「今日はウンチのエッチしない」といったなら、ルルから「ウンチのエッチしたいな」とねだるつもりでいたのだが、その必要はなくなったようだ。

「そうなのかい? でもボクのために、ウンチをガマンしなくていいんだよ? したいときにすればいいんだから」

「がまんしてないよ。ちょーどね、いましたかったの。みててね? おにいちゃん」

 ルルは少しいいわけがましく早口でいうと、下腹部に力をこめていった。

 しかし力をこめるまでもなく、すでにルルの腹部に溜められた果実は出口に密着するまでに迫っていたので、ルルが苦労する必要もなく、

 

 むちぃ……みちみちむちゅむちぃっ

 

 彼女の果実は出口との摩擦音を奏でながら、ぱんちゅの中心を盛り上げるようにして溢れて出てきた。

「ぅ……うぅンっ」

 ぱんちゅに描かれた動物のイラストが形をかえ、そのむこう側でムチムチとウンチが増えていく様子がはっきりとわかる。

「お……おにいちゃん、ウンチぃ。ルルのウンチでてるよ?」

「うん、たくさんでてるね」

 

 むちゅ、みちゅみちゅぅっ

 

 次々と溢れるウンチの質感と温もりが、ぱんちゅに閉じこめられてお尻全体に感じられる。やがてぱんちゅがウンチの重みでずり下りそうになったとき、アリクがぱんちゅの盛り上がった部分にふれ、ぱんちゅ越しにルルのお尻へと塗りつけるようにして、閉じこめられたウンチを潰していった。

「やっ! おにいちゃん」

 いいながらもルルは、自分からアリクの手にお尻を押しつけ、彼がウンチを潰すのを手伝う。

 お尻全体に広がるアリクの手の感覚と、汚物の温もり。部屋にウンチ臭が漂い、ルルは少し迷ったあと、その臭いを胸いっぱいに取り込んだ。

「ルルのくさいね? おにいちゃん」

「そんなことないよ。いい匂いだよ、ルル」

「ホント?」

「うん。それに、とっても美味しそうだ」

 いうとアリクは、ルルの汚れたお尻へと顔を近づけ、汚物色に染まったぱんちゅへと口をつける。そしてぱんちゅの隙間に指を潜りこませ、汚物を付着させたそれを口にいれた。

 指の汚れをなめとり、

「ルルのウンチ、甘くておいしいよ」

 つげる。

 ウンチが甘いわけはない。そのようなことは、ウンチを口にしたことのないルルにもわかっている。

 しかしウソでも、ウンチを「甘くておいしい」といわれるのは、なんだかうれし恥ずかしいことだった。

 

     ☆

 

 やがてぱんちゅの中で増えるものがなくなると、アリクはルルのお尻がみえるようにぱんちゅを下げた。

 露になったルルのお尻や股間にはべっちょりとウンチが付着し、香ばしくてすっぱい感じの排泄臭を放つ。

 ぱんちゅが下げられて汚れた下半身が外気に触れたためか、ルルは下腹部少し冷たさを感じた。

 と、

 

 むちゅみちゅみちちちゅうぅっ

 

 出尽くしたと思われた排泄物が、ルルのかわいらしいアヌスを膨らませるようにして開いて勢いよく溢れ、アリクの胸元にルルの体温を感じさせる小山となっていく。

「ぅ……ぅン」

 声とともに蕾が閉じて放出は途切れるが、しかしすぐにまた開いて新たな果実が溢れてくる。

 なんどもそれを繰り返し、ぴくんっぴくんっとかわいらしくお尻を震わせて、脱糞をつづけるルル。

 

 ぴちゅ、ぴゅちぃ……ぷちゅ

 

 こんどこそ最後だろうか、やわらかな便を零し、アヌスがきゅっと閉まった。

「はぁ、はぁ……」

 息をつくルル。アリクはしばらくまってみたが、再び蕾が開くようすはない。それを確認してアリクは、ルルの汚れたお尻に顔を押しつけ、ウンチが付着した蕾へと舌を伸ばす。

「きゃっ!」

 突然に与えられた感触に、ルルは背を反らしてぴくんっ……と跳ねた。

 アリクはルルを固定するようにして彼女の細い腰を両手でつかみ、浅いお尻谷間にたい積したウンチをなめとっていく。

 アリクの口が、舌が動くにあわせ、ルルは蕾の周辺に気持ちいいが滲んだくすぐったさを感じた。

 やがて、ルルのアヌスまわりのウンチをなめとると、アリクが無防備となったルルの蕾に舌を潜りこませようとしてきた。

「あっ、だ、ダメだよおにいちゃん。ちょ、ちょっとまってぇ」

 その言葉にアリクは、ルルのお尻から褐色が付着した顔を離す。

「ぱんちゅ、ぬいじゃうね」

 いったんアリクから降りると、ウンチがべっちょりのぱんちゅを脱ぐルル。そしてそのぱんちゅをアリクに手渡すと、もとの場所へと戻った。

「はい。いーよ」

 アリクは手渡されたぱんちゅを手にし、少しの間「どうしようか」と迷ったあとそれを横に置いて、胸元に乗ったウンチ山をもぱんちゅに乗せるようにしてどかすと、再びルルのウンチまみれのお尻の谷間に顔を埋める。そして口や舌で、蕾をもてあそぶ行為を続けた。

 もてあそばれ、つい力が入ってしまいそうになるアヌスを意識的に緩めて、ルルはアリクの行為を受けいれる。

 舌の動き、お尻にかかるアリクの鼻息までもがくすぐったくて心地よい。

「お、おにいちゃん……も、もっとおくまでぇ〜」

 舌の長さに限界があるのはわかっているが、お腹の奥までアリクを感じたい。意識してゆるめられた蕾に、アリクはルルのいうとおりできるだけ奥まで舌をねじりこんできた。

「ぅ……ンッ」

 ねじこまれ、声が漏れるとともに、つい蕾に力が入ってしまった。

「あっ! ごめんねおにいちゃん。いたかった?」

 しかしアリクはなにごともなかったように、腸内で舌を蠢かせる。ルルは安心して、「ぅん、ぅく」と鳴きながら、アリクの蠢きがくれる快感にひたることにした。

 

     2

 

「ぅんっ! く、くすぐ……ったいよぉ〜」

 お尻の蕾を堪能したアリクは、こんどはウンチがへばりついた股間へと口を移動させていた。

 しかし、アリクの舌がはうルルの幼いクレパスの奥には、生殖器が存在していない。

 いや、正確には存在しているのだが、とても結合をはたせるものではなかった。

 それは尿口とさほどかわらないような、針であけたような穴なのだ。

 人間と精霊種族とのハーフであるルル。彼女はどちらかといえば精霊の血が濃いため、人間としての生殖能力はない。

「ぅっ……ぅン」

 しかし、敏感な突起は存在していて、アリクはその突起を舌でさぐって転がす。

「ル……ルルだって」

 ルルはいつの間にか直立していたアリクのペニスをほお張り、舌をはわせた。

「ふぐっ、ふっ……ぅぐ」

 硬度増したアリクのモノは、ルルの小さなお口に入れるには大きい。ルルの顎はすぐに疲れ、唾液が竿をつたって零れていく。

 なのでルルは咥えるのをやめて、なめるだけにした。

 

 ぴちゃ……ぴちゅ、ちゅくっ

 

 しばらくの間、ふたりが互いをなめる音だけが室内に響く。

 しかし徐々に、アリクの口の中で転がされる敏感な突起から「きもちいー」がルルの身体全体に広がっていき、やがてそれは、ペニスをなめるということすら困難になるほどになっていった。

「アッ! お、おにいちゃっ、あっ、ぅうンッ……!」

 お腹の奥が熱い。なにかが溢れそうになっているのだが、それは出口がないのか、ルルの体内で膨らみつづけていくだけだ。

(こ、こわれちゃうよぉ〜っ!)

 体内で膨らみつづけるそれが、内側から自分を壊して溢れてしまうように、ルルは感じた。

 こわい。

 でも、壊れてしまうのもいいかもしれない。

 それほどに気持ちがいい。

 しかしアリクは、唐突に股間への攻めを止めて、攻撃をアヌスへと戻してしまった。

 ルルの体内の膨らみは、急速にしぼんでいく。

(ちょっと、ザンネン……)

 でも、アリクがしたいようにしてくれればいいのだ。

 ルルは股間とは比べものにならないが、それでも気持ちがいいことにはかわりないアヌスへの攻めを感じながら、再びペニスへと舌をはわせた。

 と、

(あれ?)

 ペニスの先端になめると、これまでになかったアリクの味を感じた。

 ルルは亀頭をぱくっとくわえ、「ちゅーちゅー」と音をたてて吸う。

(おにいちゃん、きもちいーの?)

 やはり、アリクの味がする。ルルは、アリクの精液を口にしたことはあるが、なめているだけで味がしたことはなかった。

(ルル、ナメナメじょーずになったのかな?)

 ルルは嬉しくなって、これまで以上の舌使いでペニスをしゃぶった。

 

 ちゅぱちゅぱっ、くちゅっ、じゅちゅっ……れる、れろれろっ

 

 丹念におしゃぶりをしていると、ルルの口腔内で、アリクのモノがピクンっと波打った。そして、お尻からアリクの顔が離れたのを感じた。

(おにいちゃん、でちゃいそーなのかな……? だしちゃっていいのに。ルルのお口のなかに、どっぴゅんって)

 ルルの顎は疲れて痛みさえ感じ始めていたが、彼女はそれを懸命にこらえておしゃぶりをつづける。

 そしてさほどの時間を必要とせず、ルルは口の中にどろりとした苦いものを感じた。

(これって……)

 おにいちゃんのお汁。

 その答えを脳内で言葉にするよりも速く、

 

 びゅくっ、びくびゅるッ!

 

 ルルの咽の奥に、「おにいちゃんのお汁」が打ちつけられた。

「ぅ……んグッ!」

 初体験となる口内射精に、思わずルルはペニスを口の外に出してしまった。

 そしてルルは「けほけほ」とむせながら、白濁したお汁をお口の中から零れさせ、アリクの腹部に零す。

 その間、まだ出尽くしていないお汁がルルの顔に浴びせられることになったが、むせつづけているルルはされるがままだ。

 とはいえ、ルルがそれを不快に感じることはなかったが。

「ぅ……ん、けっ、けほっ」

 ルルはアリクから下り、身体を丸くしてむせる。アリクは身体を起こし、むせるルルの背中をさすった。

「だ、大丈夫かい? ルル」

 ルルはうなづき、

「けほっ……おにいちゃん、ルルのナメナメでどっぴゅんしてくれたの、はじめてだね」

 白濁汁が付着した顔で、にっこりと微笑んだ。

「そうかな?」

「うん! そーだよ。うれしっ」

 そういうとルルは、アリクの腹部に顔を寄せ、先ほど零してしまったものをなめとっていった。

 

     ☆

 

 零したものをなめとったルルは、なかば力を失ったアリクのペニスに吸いつくようにして、残り汁をすすった。

 そして、

「おにいちゃん。ルル、もーちょっとウンチでそー」

 ふたたび排泄の欲求を覚え、告げる。ルルにしてみても、ずいぶんと出したつもりだったのだが、まだ残っていたようだ。

「ね、おにいちゃん。ルルのウンチ、たべてくれる?」

 アリクがうなずくと、ルルはアリクの顔の上にお尻をおいてしゃがんだ。

 アヌスに口をつけ、舌で門をノックするアリク。

「……ぅン」

 ルルは吐息とともに、アリクの口の中に便を注いだ。

 外気に触れることなく、アリクの体内に収まっていく便。それはルルが思っていたよりも大量だったが、アリクは全てを口にいれ、飲みこんでいく。

「おにいちゃん。もーちょっとだから、ぜんぶたべてね」

 最後の一滴までしぼるようにして、ルルは排泄をおえた。

「おいしー?」

 ルルの問いに、アリクは注がれたウンチをすべて飲みこみ、アヌスを舌できれいにして、

「うん、おいしいよ」

 お尻から顔を離して答える。

 その答えをきいたルルは、身体を反転させると、

「ルル、おにいちゃんだいすき。えへっ」

 アリクの首筋に抱きつく。

 そして、

「おしっこ、でそう。おにいちゃん、のんでぇ〜」

 甘えるようにしていった。

「いいよ」

 ルルはアリクの顔をまたぎ、スリットを彼の口元へとおろしていく。

「ぜんぶ、のんでね?」

 アリクはうなずき、ルルの股間を口で塞いだ。

「だすよ? い〜い?」

 返事の代わりに、スリットをなめあげるアリク。

「じゃあ、いくよ?」

 しょっぱい尿が、勢いよくアリクの口腔内に注がれる。

 大好きなおにいちゃんのお口におしっこをしている。そう思うと、ルルの身体中にむずがゆい気持ち」が駆け巡った。

 ゴクゴクと咽を鳴らし飲んでいくアリクだが、ルルの放尿量が勝り、彼の口角からおしっこが零れてしまう。

 すべてを放出して、腰をあげるルル。

「ごめん、ルル。こぼしちゃったよ」

 告げたアリクに、

「もー。しょうがないなー、おにいちゃん。ルルのおいしーおしっこ、こぼしちゃうなんてぇ。もーおにいちゃんには、ルルのおしっこのませてあげないんだから」

 ルルはいったが、その顔には「本当は怒ってないんだよ」と告げるかのように、かわいらしい笑みが浮かんでいた。

 

     3

 

 ルルはアリクの腰元を立てひざでまたいで、ぱんちゅに乗せられた便を手に取ると、かすかな膨らみをみせる両胸にそれを塗り、

「はい。おにいちゃん」

 アリクにむけて胸をはった。

 アリクはルルの薄い胸に顔をよせ、ウンチを纏った突起を口に含む。

「あっ……」

 舌で先端を転がされ、ルルの身体に静電気が走る。

(きもちいー)

 アリクとの行為を重ねるにつれ、ルルは「きもちいー」をたくさん感じるようになってきていた。

 最初のころはくすぐったいだけだったのに、今ではくすぐったいはほんの少しで、「きもちいー」がたくさんだ。

 ちゅぱちゅぱと音をたてて、幼い乳首に吸いついてくるアリク。

「おにいちゃん、赤ちゃんみたい」

 ルルはその顔に笑みをつくり、アリクの頭をなでる。

 アリクはウンチ色に染まったルルの胸を、ピチャピチャとなめてきれいにしていく。そしてアリクが胸の汚れをすべてなめとると、

「はい。よくできました」

 ルルはウンチを包んだ……というよりはウンチで包まれたぱんちゅを、アリクに手渡した。

 アリクはウンチを手にとり、ルルに塗っていく。ルルはくすぐったそうに身体をくねりながらも、アリクにされるままになっている。

「大丈夫かい? ルル。臭くない?」

 アリクにとってルルの排泄物の香りは心地よいものなので、不快に感じることはない。しかしルルにとっては違うことも理解しているので、確認をとった。

「へーきだよ」

 アリクの相手をつとめることとなった最初のころ、ルルは排泄物にたいする嫌悪感や臭いですぐに気分が悪くなり耐えられなくなってしまっていたが、最近はずいぶんと平気になってきていた。

 いまでは不快感よりも、アリクがよろこんでくれるうれしさの方が、ずっと勝っている。

 ルルの身体に塗糞をほどこしていくアリク。ルルが彼のペニスを手でさぐると、そこは熱をもってこれ以上ないほどに硬く大きく回復し、先端からはすでに透明な滴が溢れていた。

「えへへ」

 なんだかとても嬉しくて、笑みをもらすルル。その笑みが浮かんだ顔にも、アリクはウンチを塗っていった。

 ルルの全身をコーティングするまでにはいたらずウンチはなくなってしまったが、それでも彼女の身体は、本来の肌色よりもウンチ色の方が多くなっていた。

「ウンチ、なくなっちゃったね」

 アリクが手にするのが、ぐっちょりと湿ったぱんちゅだけになったのを確認すると、ルルは、自分の身体に描かれた褐色のモザイク模様を描き手へと披露するかのように、ベッドの上でクルンと一回転した。

「ルル、きれい?」

「うん、きれいだよ」

 ルルは顔全体をつかってにこっと笑うと、アリクにお尻をむけてうつぶせ立膝になった。

「どうぞ、おにいちゃん」

 自分でお尻の谷間を広げ、蕾を露にするルル。

 アリクは汚れたぱんちゅをペニスに絡ませて二、三度ものをしごいてからぱんちゅを手放すと、露にされた蕾へと先端をそえた。

 ルルのあるかないかの性器では、とてもではないがアリクを受け入れることはできないので、ふたりの結合は後ろの穴をつかっている。

 ここでならば、苦しいながらもルルは、アリクを受け入れることができた。

「いれるよ? 力抜いて」

「うん、いーよ」

 ペニスに付着したそれを潤滑油のかわりにして、ゆっくりと腰を進めていくアリク。

 

 みちぃ……みゅちゅみちぃ

 

「ぅ……ンくっ!」

 めいっぱいに広がったルルのアヌス。その奥へとアリクの先端が埋もれていく。

 出口を逆流して埋もれてくる男性に、ルルは息苦しさと多少の痛みを覚える。しかしそれは、みちたりた苦しみと痛みだ。

 先端が完全に埋まったところでアリクは一度動きを止め、

「痛くないかい?」

「う、うん。きもちいーよ」

 本当は少し痛かったが、ルルはそう答えた。

「おにいちゃんは? きもちいー?」

「気持ちいいよ」

「ほんと?」

「本当だよ。じゃあ、奥までいれるよ?」

「うん」

 アリクはゆっくりと奥へ進む。ルルは痛みを声に出してしまわないよう、シーツをギュッとつかんで下唇を噛んだ。

 

 みちっ……むちちちぃッ

 

 これ以上はムリ。というほどに、アヌスが広がっているのをルルは感じる。そしてお腹の中が、アリクで埋めつくされていくことも。

「……ぅっ!」

 痛いと気持ちいいが混ざった、不思議な感覚。

 痛いのに気持ちいい。

 痛いのが、気持ちいい。

「はいったよ、ルル」

「う……うん」

 お腹がアリクでいっぱいだ。自分の中でアリクのものがビクビクと波打っているのが、はっきりとわかる。

 結合をはたすと、アリクはルルを抱えおこし、あぐらになって膝上に彼女を乗せた。

 ルルは背中をアリクの胸にあずけ、「はぁー、はぁー」と大きく息を繰り返す。

 ルルの呼吸が落ち着くのをまってから、アリクはゆっくりと腰を動かし始める。ルルもできるかぎり、自分の身体をゆすった。

(ウ、ウンチが、とまらない、み、みたい)

 粘膜に感じる摩擦が、まるで出尽くすことのないウンチをしているように思える。

(きもち、いーよぉ〜)

 ルルの右手が自然と、股間の敏感な突起へと伸びていた。

 指先が、突起を捉える。

 しかし、

「あっ……!」

 股間へと伸びたルルの右手首が、アリクの右手につかまれてしまった。

「ご、ごめんなさい、おにいちゃん。ダメ、だった……?」

 怒られたらどうしよう。意識してのことではないのに、いけないことをしてしまったのだろうか。

 ルルは、心臓がキュッと締めつけられるような苦しみを感じた。

「ダメじゃないけど、ボクにさせてくれるかい?」

 アリクはルルの耳元でやさしく囁くと、ルルの腕を股間から遠ざけ、自分の右手をそこにもぐりこませた。そしてウンチで滑ったスリットをさぐり、敏感な突起を指の腹で押すようにして転がす。

「……ぁンっ」

 ルルは甘い声で鳴き、アリクが与えてくれる快感に浸った。

 アリクは股間だけではなく、空いていた左手でウンチ色に染まったルルの薄い胸をおおい、揉むというよりはさするというような動きをみせる。

 ルルは「もっとつよくしてくれていーのにな」と思ったが、それを口にすることなく、アリクに身をまかせた。

 ふたりは互いに快感を与えあうだけのイキモノになったかのように、言葉をかわすこともなく蠢きつづける。

 どのくらいが経過しただろう。少なくともルルにほどこされた塗糞は汗で流れ、ずいぶんと薄くなってしまうほどの時間が経過し、

「おしっ……こ、ぅンっ! もれ、ちゃっ……た」

 ルルがちょろちょろとおしっこを漏らしてしまい、しばらくぶりにそう言葉を発したとき、

「きゃっ!」

 アリクが結合したままのルルを前のめりに倒し、立てひざで上半身が腹ばいになったルルの細い腰を両手固定して、激しく腰をふってきた。

「ぁン、お、おにいちゃっ、そ、そんなに、アッ、ぁンッ!」

 激しい摩擦に、ルルはお尻が擦り切れてしまいそうに感じる。お腹の中がかき混ぜられ、なんだかお尻が「ひっくりかえされる」ように感じた。

 だがそれは体内に蓄積された「きもちいー」を一気に爆発させるような快感でもあり、ルルは涙と鼻水を零しながら高い音色で鳴く。

「お、おにぃちゃっ、ぅあッ! い、いぃよぉ〜っ、ひンっ、ひゃ、ひゃぅンっ! き、きもち、いぃよぉ〜っ」

 お尻が擦り切れてしまいそうだ。だけれど、擦り切れてもかまわないほどに気持ちがいい。

 お尻で、お腹の中で暴れるアリクの硬い肉。止むことのない排泄のような、快感。股間に、お尻に、胸の先端に、きもちいーの電流が絶えることなく流れつづける。

(でちゃぅっ! おまたからなにかでちゃうよおぉ〜っ)

 股間……というよはおへその奥辺りから、なにか「どぷっ」としたものが、ルルの狭い性器を押し広げるようにして溢れそうになる。

「ル……ルルッ!」

 アリクがルルの名前を呼んだ。アリクは達しようとするとき、相手の名を口にすることが多い。ルルはそのことに気がついていた。

(お、おにいちゃん、どっ、どっぴんしてい〜よっ!)

 というより、ルルも限界に達していた。なにかが、溢れてしまう。その限界だ。

「う、うん、おにいちゃあぁ〜んッ!」

 ビュクビュクとお腹の中に放出される、アリクの熱い汁。それと同時に、

 

 びゅ……っくンっ!

 

「ぅンっ、きゃぅうっ!」

 ルルはお腹の中で、なにかが爆発して溢れるのを感じた。

(ゃン……な、なにぃ〜ッ!?)

 全てを放出するためにか、アリクが小刻みに腰を動かしている。ルルはいつものように、お尻にきゅっきゅっと力を入れて、アリクのものを搾りとろうとしたのだが、お尻だけでなく身体全体に力が入らなかった。

 アリクがすべての放出をおえても、ふたりは結合をとくことなく、そのまま体位で大きく呼吸を繰り返す。

 やがて呼吸も落ち着いてくると、アリクは腰を引いて結合をといた。じゅぷりと引き抜かれたペニスは、ルルの便や腸液が付着してぬらめいている。

 結合がとかれ、アリクがつかんでいたルルの腰から手を離すと、ルルは脚をひし形にして、うつぶせでベッドに倒れこんだ。

 

 ぴくっ……ぴくぴくっ

 

 痙攣する、ルルのかわいいお尻。そのアヌスは、押し広げるものがなくなってもぽっかりと開いたままで、その奥からはドロリとした褐色と白濁のまだら模様の汁が溢れ出て、シーツに落ちてはシミを描いていった。

 

     ☆

 

 身体をならべて、ベッドに横たわるルルとアリク。

「おにいちゃんにこんなにかわいがってもらったの、ひさしぶりだね」

 アリクとふたりっきりでのウンチのエッチは、一ヶ月以上ぶりだ。

「そうかな」

「そうだよ。おにいちゃんはやっぱり、ソフィアおねえちゃんがいちばん好きなの?」

 アリクは、ソフィアが一番のお気に入り。ルルはそう思っていた。

 そう思うと少しもやもやした変な気分になるけれど、ソフィアならアリクとお似合いだとも思う。それにアリクのことを一番好きなのは、ソフィアだろうとも思っている。

 だけどもうひとり、ソフィアと同じほどアリクのことが好きなひとがいる。

 それは、聖騎士のナホカだ。

 ソフィアは、ナホカの気持ちに気がついていないようにルルは思う。ソフィアはアリクに夢中で、他人のことにはあまり関心がないようにも。

 それにもしかしたら、ナホカ自身も気がついていないのかもしれない。

 しかしルルからみれば、ナホカがアリクに夢中なのは明白だった。

 ルルがアリクにむける「大好き」とは微妙にちがう、ソフィアがアリクにむける「大好き」と同じ「大好き」な気持ちを、ナホカはアリクにむけている。

「好きだよ。でも、ルルも好きだし、サシャさんも好きだよ」

「ふーん。それって、おんなったらし、ってゆーんだよね?」

「そ、そうなのかな?」

「うん。そーだよ。でもね、ルルも、おにいちゃんも、サシャおねえちゃんも、ソフィアおねえちゃんも、マリーナちゃんもだいすきだよ。それにナホカおねえちゃんも、お姫さまも、ヨルちゃんもすき。だからルルも、おんなったらしなんだよ?」

 くすくすと楽しそうに笑うルル。アリクもつられて微笑む。

「ね、おにいちゃん。もーいっかい、しよっか?」

 ルルは身体を起こし、アリクの汚れたペニスに顔を近づける。

(ウンチ、ついてる)

 ルルはこれまで、排泄物を口にしたことはない。

 しかし、

(おにいちゃん、気づいてくれるかな?)

 ルルは排泄物が付着したペニスを、口の中へといざなった。

 

     4

 

 セルン城を見下ろす丘には一本のエダンの大樹があり、毎年この季節、そのエダンは新緑をまとって陽光を受けとめている。

 このとき丘には、エダンの木陰で陽射しを避ける、ルルとマリーナの姿があった。

「ねぇ、マリーナちゃん。なんでナホカおねえちゃんは、おにいちゃんに好きっていわないのかな?」

 唐突なルルの質問に、

「バカだからだ」

 マリーナはそっけなく簡潔に答えた。

「ナホカおねえちゃんって、バカなの?」

「利口ではないな。ついでに面白みもない」

「ふ〜ん」

「わかってないな」

「うん。わかんない」

「お前は利口だな」

「ふ〜ん。で、りこーってなに?」

 マリーナはルルの瞳に視線を刺し、

「聖女は死んだ。

 わしが殺した。

 お前たち精霊の〈希望〉は、すでにない。

 お前たちは、ただ、滅びゆくのみ。

 知っているだろう? お前は。

 あのとき。

 わしがお前たちの聖女を殺したあのとき。

 お前は、すべてをみていたはずだ。

 わしの紅い目を。

 わしの獣の姿を。

 お前は、みたはずだ。

 最後の精霊王よ」

 唄うかのようにして告げた。

 ルルの瞳から光がなくなる。

 無音。

 陽射し。

 地に描かれる、葉形のモザイク。

 そして、

「ねぇ、マリーナちゃん。りこーってなに?」

 瞳に光を戻し、ルルはいった。

「自分で調べろ。頭は使うためにある」

 すっと、脚を進めるマリーナ。次の瞬間には、彼女の姿は溶けるようにして消えていた。

「えぇ〜っ! おしえてよぉ、マリーナちゃ〜ん」

 ルルの叫びはマリーナに届くことなく、青い空に吸いこまれていった。



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